| 2026年6月10日 |
| 亜鉛ユーザー、相場高騰が直撃 円安背景、1年で建値1.5倍上昇 世界需給予想は1万d不足 亜鉛建値(トン当たり)が過去1年で1・5倍近く上昇し、建材薄板メーカーや溶融亜鉛めっき加工会社などの収益下押し要因となっている。三井金属の電気亜鉛建値は今年4月、4年ぶりに60万円台に乗り6月は62万8千円(1日)、64万3千円(4日)、63万1千円(9日)で推移した。日本溶融亜鉛鍍金協会の本野晃司理事長(日東亜鉛社長)は「日経平均株価が過去最高値を更新するなか亜鉛相場も70万円まで行くのではないか」と危機感を募らせ、日本鉱業協会・鉛亜鉛需要開発センターの山本伸之センター長は「円安も背景に高値の状況は当面続くかも知れない」と見通す。諸物価高騰のなか、亜鉛ユーザーにとって厳しいコスト環境が続く。 亜鉛建値は過去30年間で4倍超上昇し、過去20年間を振り返っても波を打ちながらステージを変えてきた。直近では23年5─7月にかけて40万円割れが続き、以降は40万円台・50万円台を行き来した。1年前の6月平均は43万9400円だったが秋口から徐々に価格が上がり、年末には50万円台半ばに到達。1j=150円台後半(足元約160円)となった円安進行も要因となった。2026年になってからは2月28日に米国・イスラエルのイランに軍事攻撃を開始し中東情勢が悪化。非鉄価格の高値につながった。 国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)が今年4月にまとめた亜鉛需給予測によると、26年の世界の鉛地金需要は前年比1・1%増の1372万dになる。米国では3・6%増、欧州では緩やかな伸び率を見込んだ。中国は0・7%減、日本は横ばいになると見られなか、亜鉛地金の需要は供給をわずかに上回り「亜鉛地金は1万d不足すると予想されている」(山本センター長)。需給バランスや為替動向などから亜鉛相場は動いていくが、亜鉛建値60万円台でも耐えられる取り組み、価格転嫁がユーザーに欠かせない。 |
| 2026年6月9日 |
| 鉄鋼商社、25年度連結業績出そろう メタルワン、売上総利益率6.5% 量より質求め新中計施策着々と進行 メタルワンの2025年度連結業績は、売上収益2兆372億円、当期利益は285億円で減収減益だった。売上収益は前期比7・0%減、当期利益は0・9%減だった。売上総利益は1328億円で3・9%減だった。減収減益の要因は国内外の市況悪化や扱い数量の減少によるもの。米国の関税や人件費、金利上昇など厳しい情勢が続くなかで、底力を見せ減益を小幅に食い止めた。売上総利益は6・5%を確保するなど、これまでと比べても高い水準となっており健闘している。 各部門の収益割合はグローバル事業部が約3割を占め、線材・特殊鋼・ステンレスが2割強などとなっている。100社中、黒字会社は92社・赤字会社は8社だった。事業会社で貢献度が高いのは北米のトレーディングやアセアンのコイルセンターなど。扱い数量は1553万dで前期比1・6%減少した。単価は15万6千円で9千円下落した。 同社は昨年度から「シン・経営計画2027」をスタートさせた。渡邉善之社長はすでに複数の案件に着手していることを踏まえ、26年度以降の業績貢献に期待を託す。(本紙2面に続く) |
| 2026年6月8日 |
| 高炉3社、第2弾価格改定方向性固まる 神鋼7月出荷から5000円上げ 全鋼材対象、聖域なき取り組み着手 神戸製鋼所は7月出荷分から全ての鋼材を対象に国内・輸出、ひも付き・店売り全分野を含め、トン当たり5千円の値上げを行う。対象となる鋼材品種は線材・棒鋼・厚板・薄板。同社のこれまでの価格是正は品種ごとに方針を示してきたが、今回は全品種での値上げに踏み切った。同社は4月出荷、あるいは4月契約において各品種の値上げを実行しており、今回は第2弾となる。 今回の追加値上げの背景にあるのは、中東情勢だという。もともと主原料や副資材・物流費など諸コストは上昇していたが、中東情勢の影響で原料の輸送コストを押し上げていることが足元の課題となっている。そのため今回の値上げはスピード感が重視された。同社は2026年度通期の見通しにおいて、中東影響が上期中継続することを前提に100億円のマイナス影響を織り込んでいる。 神戸製鋼が方針を固めたことで、これで高炉3社すべての方向性が定まった。第1弾の値上げからこれほど短期間で追加値上げに着手するのは過去例がない。需要業界に対して、適正なマージン確保に覚悟を示した形だ。中東情勢の動向も懸念されるが、この第2弾の値上げをもってしても、高炉各社にとってのマージンは決して十分ではない。単純なコスト転嫁に追われているだけでは、マージン確保はままならない。 これは薄板についてだが先日、高炉3社の申請を受けて国は熱延コイルや冷延コイルのAD調査に着手することを決めた。これまでは高炉が値上げすると輸入材が入り込むことが常だった。通商対策も講じながら高炉は国内価格の是正を進めていく。需要面で追い風が得られないなかでの値上げの完遂に、高炉は手を尽くしている。ただならぬ覚悟が感じられる。 |
| 2026年6月5日 |
| ステンレス鋼板、需要回復軌道に 長いトンネル脱出 需給改善、価格転嫁が加速へ ステンレス鋼板需要が、ようやく回復軌道に乗ってきた。直近3年程度続いた景気減退や、自動車や産機、建材分野でのステンレス部材減や使用材料切り替えなど構造的要因による需要減にひとまず歯止めがかかりつつある。商社流通でも資材やエネルギー、物流費、鋼材価格値上がりによるさらなる価格転嫁に向けて、プラスとなることが期待される。需要回復や海外材減少などによる需給状況改善で4月の薄板販売量は前年同月比6・2%増の5万882d(全国ステンレスコイルセンター工業会=JSCA統計)と5万dを越え、6月も荷動き回復を感じる声は増えている。 厚板も半導体関連の回復や、昨年頃から堅調な造船、また原子力などエネルギー関係の安定感が需要を支える。4月の販売量は9・5%増の1万333d(全国ステンレス厚板シヤリング工業会)とかなり回復し、エネルギーや造船だけでなく、半導体関連の回復も作用しているとみられる。関東の加工流通トップは「建材をはじめ4月以降も、そこそこの荷動きできている。仕入れ価格もまた上がりそうだ」とする。中小は収益確保に苦心するところもあるが、半導体、エネルギー、造船などの有力ユーザーを抱える商社流通は比較的業績は安定し、利益を伸ばしているところもある。 薄板は中国材・台湾材のアンチダンピング調査効果も続き、需給環境が改善。JSCA統計で4月のニッケル系冷延品の在庫率(在庫対販売)は2・49カ月と2・5カ月を割った。海外材への通商対策を取る国内ミルも、引き合い回復の好機だ。流通などは6月中のもう一段(1万─2万円程度)の値上げにつなげたい局面。諸物価が上がり、資材の調達不安もぬぐい切れないなか、ビニールエキストラなどを引き上げたいと考える流通もいる。回復局面は半導体改善のある程度の持続性や、造船の安定感などで半年は続く。 |
| 2026年6月4日 |
| アジアHC市況再び軟化、600jが厚い壁 インド材や中国半製品影響か 各国の内需力強さ乏しく需給調整足枷 アジアのホットコイル市況が再び軟化している。一時はFOB600j近い価格まで回復したが、もともと需給が緩んでいることや、中国の安価な半製品輸出影響などが絡み、500j台後半でもみ合っている。やはり600jの大台には厚い壁がある。 500j台で変動を繰り返す根本的な要因はアジア主要国の内需の弱さだ。通商対策を講じて中国材をはじめとする輸入材流入に制限をかけても、国内のホットコイル市況上昇は限定的なものにとどまっている。このため、わずかな刺激にも耐えられない。例えばベトナムでは主力ミルが国内向けのホットコイル価格を小幅ではあるが下げた。インド材の影響だという。インドは4月の粗鋼生産が1380万dで前月比9・9%減少した。前年同月比では増加しているが、前月比で1割近く減少するのは珍しいことだ。成長市場としてポテンシャルの高いインドであっても、一時的とはいえ減産を強いられた。輸出による需給調整が必要になったと見られる。 インドを除けばアジアにおいて今後の需要成長に突出した力を持っているところは少ない。中東影響も絡み世界的な金利上昇も鋼材需要に対してマイナス要因となっている。通商対策による各国の需給調整も効果を薄められると考えられる。 関係筋ではアジアのホットコイル市況は当面大きく崩れることはないというが、一進一退は続く。前述の中国の半製品輸出の問題が市況に与える影響も極めて不透明だと言えるが、状況は刻々と変化する。中国では5月下旬に原料炭の鉱山事故が起きている。生産規模はそれほど大きくないが、直後に先物価格が大きく上昇した経緯がある。半製品といえども原料コスト影響を受けるため、今後の動向が注目される。 |
| 2026年6月3日 |
| 日鉄鋼板、コスト増価格転嫁第2弾 7契分から全品種5%上げ 中東情勢の影響を織り込み実施 日鉄鋼板は国内向け建材薄板製品を7月契約分(8月以降出荷分)から5%の追加値上げを実施する。製品販価は5月契約分から10─15%引き上げており、一連の価格改定前の価格からの累計上げ幅を15─20%に広げる。親会社・日本製鉄は薄板製品値上げ第1弾として5月出荷分からトン当たり1万円引き上げ、第2弾として7月出荷分からさらに5千円上げる。日鉄鋼板も日鉄グループとして連動しながら価格転嫁を進める。対象は需要家・流通各社向け鋼板製品(めっき・塗装鋼板)と鋼板加工製品(軽量形鋼など)、金属サイディング製品、金属サンドイッチパネル製品など全品種で、5月最終週から取引先に申し入れを始めた。早期完遂を目指す。 約2年ぶりに値上げを実施してから間を置かずに追加値上げを行う。前回の改定価格には悪化する中東情勢影響を織り込んでおらず、4月の値上げ発表時に状況の推移次第で追加値上げも検討するとしていた。足元の状況について営業総括部の上原瑛部長は「原板購入費用の値上がりに加えて亜鉛・アルミ、塗料や金属サンドイッチパネル用の芯材、エネルギーなどの副資材・資材のコストアップが避けられない状況だ」と説明。諸コスト上昇分は自助努力だけでは吸収が困難なレベルだと訴え、取引先に価格改定への理解を求めていく考えを示す。累計上げ幅は現時点で想定する諸コスト上昇分に対応するが、今後のコスト事情の変化次第で追加の取り組みもあり得る。 建材薄板メーカーの価格改定第1弾でヨドコウは5月帳破出荷分から10─15%、JFE鋼板は6月から10%以上の値上げを掲げた。資材・副資材調達先からの値上げ要請で改定幅が具体化するなか、日鉄鋼板は第2弾で先陣を切る。「着実に進行している」(上原部長)という第1弾からの販価改善に勢いをつけて製品の安定供給、収益の確保につなげる。 |
| 2026年6月2日 |
| 政府が中韓台の熱延・冷延コイルAD調査 高炉3社強い危機感、本丸にメス 内需縮減のなかで存在感示す輸入材対応 日本の高炉メーカーが熱延コイルと冷延コイルについて韓国・中国・台湾などの製品を対象とするアンチダンピング措置を申請した。これを受けて日本政府は措置を前提とする調査開始を決めた。 熱延コイル・熱延鋼板については高炉3社(日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所)と中山製鋼所が、冷延コイル・冷延鋼板については高炉3社が今年2月27日に経済産業省と財務省に措置を申請。これを受けて6月1日に調査開始となったもの。価格に関する調査は2025年4月から26年3月。産業被害に関する調査は21年4月から26年3月を対象としている。熱延コイルや鋼板については日本市場において、主に対象となる3カ国のシェアが20%。冷延コイルや鋼板については25%ある。もともと韓国や台湾材が多かったが、近年は各国の通商措置や米国関税の影響を受けて、中国材の増勢が目立ってきていた。中国材については25年度の平均単価で熱延コイルが韓国材と1万円近い開きがあった。冷延についてもまた然りである。日本のメーカーはこうした実情を憂慮しており、今回の申請に踏み切ったもの。韓国材や台湾材についても、主な輸出先で通商措置を受けており、この1─2年で通商対策でハードルが低い日本市場にターゲットの軸足を傾けていた実情があった。(2面に続く) |
| 2026年6月1日 |
| 4月普通鋼鋼材輸入、32万5000d台まで低下 中国材大幅減、鋼板類や形鋼も 足元ひとまず安心も拡散する半製品に注意 日本鉄鋼連盟まとめによると、4月の普通鋼輸入は32万5315dで前月比11・0%減だった。輸入は減少傾向が続いており、1─4月累計の普通鋼輸入は139万7268dで前年同期比9・9%減だった。注目すべきは中国材の減少だ。3万9200dで前月比32・5%の大幅減になった。AD調査の対象になった溶融亜鉛めっき鋼板はもちろん、他の薄板類や厚板、形鋼にいたるまで減少した。国内材との価格差縮小が影響したと見られる。 今年1月から中国では輸入業者に対する規制が強化された。対日向けの減少にも少なからず影響を示した。ただ最近の傾向としては中国材の普通鋼輸入全体は減少しているものの、溶融亜鉛めっき鋼板やステンレスなど一部の品種が大きく減少した分を他の品種で補うケースが見受けられた。冷延コイルや厚板、形鋼などが増加したケースもある。 中国における粗鋼生産は引き続き高い水準が維持されている。そして輸出も然りだ。主要な輸出国での通商措置があるにもかかわらず、この傾向は変わりがない。では対日向けが減少したのはなぜか。半製品輸出を増やすことで粗鋼生産量を維持している。アジアを含めて中国の半製品は広く出回っているのが実態だ。 足元ではアジアの鋼材市況に直接影響をもたらしているようには見えない。だが、安価な半製品の拡散はいずれホットコイルなど製品市況に伝播する。業界関係者はこうした事態を憂慮する。ロシア材の半製品を中国が活用しているという話もある。中国材の輸入減は日本国内の製品市況形成にはプラスに働く。ただタイムラグを経て、再び安値の製品が出回る時期は注意が必要だ。国内では高炉の第2弾となる値上げがアナウンスされた。秋口になる頃には更なる高値玉が流通に倉入れされる。新たな悩みが生まれそうだ。 |
| 2026年5月29日 |
| JFEスチール、鋼材全品種で値上げ 6月商談分から追加5000円 中東影響を一部転嫁、輸出でも実行 JFEスチールは6月商談分(7─8月納期分)から鋼板類・条鋼類・鋼管類・特殊鋼ステンレスなど鋼材全品種で販売価格をトン当たり5千円引き上げる。店売り・ひも付き、国内・輸出を問わずに実行し、諸コスト増や中東情勢影響で悪化する収益を立て直す。これまで販価改定・公表は品種ごとに行うことが多く、全品種対象の一律値上げはコロナ流行期以来となる。今期上期から主原料コスト上昇を理由に1万円の値上げに動いており、一連の上げ幅計を1万5千円に広げる。今回の追加値上げについて渡辺大樹・営業統括部長は「中東影響によるコスト悪化分の転嫁は一部にとどまる」と説明。上げ幅は未定ながら2026年度下期で値上げ第3弾を視野に置く。 JFEスチールは26年度事業利益2150億円・当期利益1500億円を見込むが、中東情勢影響が長引けば収益は月平均100億円程度下押されていくと見る。中東向け出荷が停滞するだけでなく、エネルギーコストの上昇や資材価格の上昇、バンカー(船舶燃料油)価格上昇に伴う物流・輸送コスト上昇が大きく響く。不確実性が高いため中東情勢影響の予想数値は通期業績計画に織り込んでおらず、想定する収益押し下げ分は「速やかな価格転嫁」で圧縮していく方針だ。6月商談分からの鋼材全品種値上げはその一環となる。品種・分野ごとに上げ幅・タイミングが異なるが、これまでの値上げ分を含めた販価是正を上期中に、遅くとも9月までに完了させる。 数量・シェアを大きく落とさず電炉材との競合品種や輸出品を値上げするのはたやすくない。だが「電炉メーカーもこれまでの上げ幅で足りていると思わないし、コスト面から海外ミルも値上げに動かざるを得ない」(営業統括部)との認識だ。販価是正が進まなければ予想収益の下振れは不可避で、覚悟を持ってスプレッド改善に臨む。取引先との交渉を6月1日から始める。 |
| 2026年5月28日 |
| 苦境続く普通鋼電炉26年度業績 国内下振れで上期赤字 中東影響で電力費高騰も不可避 (東京)普通鋼電炉メーカーの収益悪化が想定以上に進み、2026年度業績予想から上期の国内収益は下振れる懸念が強まっている。中東情勢悪化を受けて副資材供給不安による国内建設活動のさらなる停滞に加え、エネルギーコスト高騰が収益予想を押し下げる。頼みの綱となるのは製品販価値上げの進捗だが、建材需要の低迷から狙い通りにいかない可能性がある。電炉メーカー筋は今期の収益見込みについて「東京製鉄の予想と同様に上期赤字、下期トントン、通期赤字になるのではないか」と指摘。電炉メーカーの7─8割が通期赤字で着地するかも知れないと予想する。ホルムズ海峡封鎖状態の長期化で、業績予想の下方修正を迫られるメーカーが多くなりそうだ。 製品販売数量の大幅回復が期待できないなかで電炉メーカーの減益幅が縮小するとすれば、これまでのようにメタルスプレッドがどれだけ改善できるかにかかる。関東地区棒鋼メーカー筋は「諸コスト増を背景に鉄筋市況を引き上げた後に鉄スクラップ相場が大きく落ちれば良い」と語る一方で「鉄スクラップ発生量も少ないなかでは輸出価格に響く為替相場が大きく円高に振れない限り鉄スクラップ価格が急落することはないだろう」とこぼす。東鉄の鉄スクラップ購入価格(27日時点・特級)は8拠点でトン当たり5万3千─5万4千円と、7拠点で3万9千─4万1500円だった1年前の5月から主原料相場のステージは変わっている。労務費や輸送コストも上がり、6月以降の電力コストの大幅増も電炉各社にとり頭痛の種となる。 通期営業利益について東京製鉄は40億円の赤字(25年度は72億円の黒字)、北越メタルは9億円の赤字(同3億円の赤字)を予想。合同製鉄は前期比33・8%減の65億円としているが、26年度に入って新たな課題が増えている。「販価頼み」にならざるを得ない収益状況が続く。 |
| 2026年5月27日 |
| 日鉄、薄板第2弾値上げ7月出荷から 国内店売り・リロールなど5000円上げ 中東影響、原料やフレートなどで波及 日本製鉄は、国内店売り向けとリロール、パイプ・軽量形鋼向けの薄板販売価格を、6月引受け7月出荷分から従来比トン当たり5千円値上げする方針を固め取引先に説明を始めた。 今回の5千円値上げは中東情勢悪化の影響を受けたものだ。一般炭や重油、LNGなどのエネルギー関連コストや、スクラップ、合金、資機材、フレートなど中東影響はさまざまな部分に影響をもたらしている。同社は4月引受け、5月出荷分から同分野向けの値上げを行っており、それを含めると累計の上げ幅は1万5千円となる。 5月に行った2025年度業績発表の場で、同社は中東情勢の影響が第1四半期だけで500億円のコストアップ要因になると説明した。さらに厳しい情勢が長引けば今回の5千円では対処しきれない重いコストがのしかかる。同社は今後の動向を見極め、次なる値上げも検討する。 実需に恵まれないなかで、流通は前回の値上げの転嫁に地道な取り組みをしている。高炉各社の大幅値上げに対して流通は個社ごとに対策を講じている。緩やかではあるが市況は上昇に転じた。リロールメーカーもマーケットの変化を見極めながら転嫁に励んでいる。海外メーカーが原料由来のコスト増で母材コイルを値上げしてきている。これによりリロールメーカーのベクトルは定まった。 だが、前回値上げからいくらも期間を置かずに第2弾の値上げが始まるとは流通もリロールメーカーも想定はしていなかったのではないか。今回の日鉄の値上げアナウンスタイミングは、マーケットの緊張感を高めるだろう。一部の建設分野では少しずつ需要改善の芽が出てきている。絶対値ではまだボリュームが少ないが、雰囲気は変わった。 |
| 2026年5月26日 |
| 佐藤商事、創業100年向け在り姿明確化 第4次中計は海外グループ事業焦点 過去最大の150億円投資、成長戦略に 独立系商社の佐藤商事は25日、今年度からスタートした中期経営計画について、野澤哲夫社長が解説する動画配信を行った。同社は2030年に創立100周年を迎える。第4次中期経営計画は28年度を最終とするもので、100周年の在り姿に向けて非常に重要な位置づけとなる。野澤社長は成長エンジンの鍵となる海外事業について、今期から7番目のセグメントとし積極的な投資とこれまでのネットワークをもとに拡販を進めるとした。同社は新中計で過去最大の150億円の投資を行う予定だ。 同社は中国・韓国・台湾・インドネシア・マレーシア・タイ・シンガポール・インド・ベトナム・カンボジアに拠点を持ち、このうち中国・インド・タイでは製造業向けなどの部品製造あるいは加工拠点をもっている。第3次中計では連結目標としていた海外売上高580億円に対し666億円で超過達成となった。 同社の海外事業の強みは鉄鋼・非鉄・電子の3本柱で東南アジアを中心としたネットワークを築いている点にある。第4次中計ではグローバル拠点充実などに備えた人材育成に一段と力を入れるという。150億円以上の投資が目標で、成長投資に138億円(拠点拡充や設備投資に98億円、M&Aに40億円)、基盤強化に16億円(人的投資3億円、IT投資13億円)の内訳となっている。連結経常利益目標は92億円で25年度実績比13%増を狙う。ROICは6%以上とする。株主対策も万全だ。一株当たりの年間配当下限は76円。中計初年度は87円の配当を見込む。新中計は「The power to connect─つなぐ力」を掲げる。至近では井村俊哉氏助言の投資ファンド「ファンドノート」が5%以上の株保有を行ったばかり。株主対策にも余念がない。 |
| 2026年5月25日 |
| 転嫁に邁進する流通に中東影響じわり 建築末端業者の仕事進まず 需要無き値上げのアキレス腱に (東京)流通各社がメーカー値上げの転嫁に邁進するなかで、じわじわと中東情勢が影を落とし始めている。主力分野である建築向けでは中小零細の工事業者が石油由来の資材不足と価格高騰に直面。こうした末端の行き詰まりが鋼材の売れ行きにもこれから影響をもたらす。市中では第1弾となる転嫁がおおまかに浸透した状態にある。これから6月にかけて第2弾の転嫁に着手するタイミングだ。悪戦苦闘しながら取り組む流通関係者は不安を募らしている。 今回のメーカー値上げは高炉・電炉・リロールを含めて大きな流れを作っている。原料だけでなくいわゆる諸コスト上昇幅が大きく、完全浸透がメーカーにとって必須となっている。だが、この値上げがこれまでと異なり異質なのは需要環境が悪い状態で実行されていることだ。それがいかに過酷なものなのか、メーカーも流通も理解している。市中価格に大幅値上げが浸透するには半年はかかる。長い道のりを考えて夏前には流通として第2弾の転嫁にめどをつけたいところだ。 だが、中東影響はその目算を狂わせる。流通の現場ではまだ小さな影響にとどまっている。梱包材など自社の出荷に関わる部分だ。一部では便乗値上げで副資材の価格が上昇するケースも見受けられる。 こうした変化も流通関係者を不安にさせているが、脅威なのは客先の動向だ。「建築関係の業者に聞くと作業が進まず難儀しているという。資材が足らずに動けない。仕事がないのも困るが、仕事があっても作業ができない。中小の物件が低迷していると悩んでいた時とは別次元の状況が起ころうとしている」との声もある。零細の建築業者は中東情勢悪化の以前から体力を消耗している。地方では倒産も目立つ。中東情勢が追い打ちをかけるのは間違いない。 |
| 2026年5月22日 |
| 4月鉄鋼輸入、中韓減少で54万d台に低下 中国は29%減、10万d大台割る ADや内外格差縮小影響が仕入れ欲削ぐ 財務省統計によると、4月の鉄鋼輸入は54万2661dだった。前月比8・8%減。中国や韓国からの減少が効いている。溶融亜鉛めっき鋼板とステンレス鋼板のAD調査によるプレッシャーが一定の効果となっている。主力の韓国材の減少は通商対策による韓国内の需給調整進展が要因にあると見られる。また原料などのコスト上昇で輸入材に対する先高感が仕入れ抑制につながったと見られる。 2025年を通年で見るとピークは70万d台の輸入があった。こうした現象は中国材の大幅増が背景にある。25年12月も63万5535dが輸入された。これも中国の輸出規制に関する駆け込み現象との見方が強かった。26年になってからは50万d台で推移した。3月は59万9284dで2月から大きく伸びたが、中国・韓国・台湾材について、本格的な値上がり前の手当てと分析できる。 輸入材の増勢は落ち着いてきたが、中国材の動向次第とも言える。4月の中国材は8万1747dだった。前月比29・9%減だ。中国メーカーの粗鋼生産水準は高いままだ。各国の通商対策を受け、比較的ガードの弱い日本向けが昨年大きく伸びた。これが10万d以下に減少したのは、半製品輸出傾注という選択肢を見出したためだ。半製品は規制の対象にはならないが、間接的に製品価格へ影響を及ぼすのは必至だ。 韓国材の減少は、韓国内で中国材輸入を制限したことで国内需給調整が進み、市況改善につながっている。主力メーカーが実質的に減産していることも国内市場にプラスに効いている。今後の輸入材の鍵を握るのは、内外の価格差と中東影響だ。国内外のメーカーの原料などのコスト転嫁で内外格差は縮小してきた。中東情勢の影響によりこのバランスの変化が注目される。 |
| 2026年5月21日 |
| 日本製鉄、5契店売H形販価据置き 中東情勢受け追加値上げ検討 ときわ会出庫は2カ月連続で増加 日本製鉄は5月契約分の店売り向けH形鋼価格を据え置いた。販価据え置きは2カ月連続。2025年度下期から数えると昨年9月契約分(幅3千円)と今年2月契約分(幅5千円)、3月契約分(幅5千円)の計3回、累計トン当たり1万3千円値上げを行ってきており、改定価格の市場浸透を待つ。ただ、中東情勢悪化の長期化で上昇する諸コスト分の価格転嫁は避けられず、厚板・建材営業部は「これまで実施してきた値上げではカバーできない水準になる」として追加値上げのタイミングを引き続き探っていく考えだ。流通在庫は半年ぶりに減少したが「依然高水準」との認識で、1月契約分から続ける店売り引き受け数量5割カットは5月契約分でも実施する。 国内鉄骨需要の盛り上がりに欠くなかでの販価是正の取り組みとなる。2025年度の建築着工統計に基づく換算鉄骨重量は342万dにとどまったが、26年度も「人手不足を背景にした構造的な問題は解決されていない」(厚板・建材営業部)ため大きな回復は見込みにくい。だが「首都圏の再開発案件などもあって下期から需要が戻る」との期待感は消えていない。 4月はメーカー各社の値上げの動きや先高感から手配の駆け込みが見受けられ、ときわ会のH形鋼出庫量(全国)は前月比3200d増(前年同月比1700d増)の6万7300dと2カ月連続で増加。月末在庫率は2月末のピーク(4カ月)から3・28カ月に落ちた。主要3地区の実績は東京=入庫1万4100d(前月比2・8%減)・出庫1万5700d(4・2%増)・在庫4万5500d(3・4%減)、名古屋=入庫8900d(12・0%減)・出庫9300d(3・2%増)・在庫2万9200d(1・2%減)、大阪=入庫1万8900d(17・0%減)・出庫2万3100d(10・4%増)・在庫6万2800d(6・3%減)だった。(本紙2面に関連記事) |
| 2026年5月20日 |
| 日本製鉄、国内店売り炭素鋼鋼管全品種 8月製造分から10%値上げ 2月製造に続く改定、コスト増止まらず 日本製鉄は、国内店売り向け炭素鋼鋼管全品種の販売価格について、8月製造分から現行価格比10%の値上げを実施する。需要家・流通各社への申し入れもすでにスタートしており、再生産可能な体制の維持に向けた取り組みを進めていく。 同社では今年2月の製造分から5%分の値上げを行っていたが、これは2025年度中におけるコスト上昇分を転嫁したものだった。対象製品は4月あたりから納品を行っており、おおむね5―6月中に転嫁が達成されるとみている。今度の取り組みは26年度中のコスト増加の影響を受けたものとなる。予定通りなら10月あたりに納品されるものからが対象となる。足元の国内鋼管需要は依然低調な状況だが、今後については半導体工場、データセンターなどの新設工事に加え、首都圏を中心とする大型再開発案件の活発化、大阪エリアにおけるIRや関連案件の着工が控えているほか、産業機械分野での受注改善など、各種案件の回復期待が高まっている。 これまで構造的なコスト増に対して、同社では削減に向けた自助努力と取引会社への価格転嫁に取り組み、一定の理解を得てきた。その一方で労務費、物流費、資材をはじめとする諸コストの上昇が前回の値上げ発表以降も続いており、安定的な再生産体制を維持するために値上げが必要と判断した。関連するサプライチェーンにおいても、一気通貫で再生産可能な供給体制を維持するべく、生じたコストアップについては着実に製品価格に反映させていく。 今回の値上げには中東情勢の直接影響は含まれない。だが、今後の市場環境は不透明で流動的とみており、諸コストの動向次第では、さらなる値上げも逐次検討し、実行に移す構えだ。 |
| 2026年5月19日 |
| 神鋼、加古川にスクラップ溶解炉検討 合わせ湯方式で高炉溶銑抑制 30年以降のCN移行期に現実的施策 神戸製鋼所は、加古川製鉄所にスクラップ溶解炉導入の検討を始めた。高炉─転炉法を基盤にしつつ、スクラップの投入で高炉溶銑の使用を抑制し、CO2排出削減につなげるものだ。同社は2030年代前半稼働を想定し検討を進めると言う。投資額はおよそ1千億円の見通しだ。 50年のカーボンニュートラル実現に向けて、高炉各社は国の支援を受けながら革新的なプロセス技術の開発に取り組んでいる。その実現までは各社が複線的な方法を活用しながら、トランジション期を乗り切ろうとしている。日本製鉄やJFEスチールは大型電炉の稼働により30年度以降のCO2排出削減への寄与を目指している。こうしたなかで神戸製鋼の動向が注目されていた。同社も大型電炉における高級鋼製造の取り組みをロードマップに組み込んでいるが、同社の場合は、拠点が加古川に限られること、現在稼働中の高炉巻き替え時期まで時間があることなどから、前述の2社のように30年のタイミングで一部の高炉を電炉に置き換えるのは現実的な選択肢とは言えない。そこでスクラップを溶解し、転炉内で高炉溶銑と溶鋼を混合するプロセスを選び、品質面を維持しつつCO2排出削減を実現することを模索することにした。 溶解炉の生産能力は年間70万dを想定。合わせ湯方式で高い割合でスクラップを混ぜることで鉄源の循環という観点からも歩みを進めることができる。この方法は既存設備との親和性が高いという。大掛かりなプロセス転換を伴うものと異なり、投資の規模やコストにおいて想定がしやすい利点がある。 至近では中東情勢影響が大きな焦点になるなど、業界を取り巻く環境は不透明性が増している。現実路線を極める神戸製鋼は独自の道をいく。正式決定は27年度を起点とする次期中期経営計画で行うとしている。 |
| 2026年5月18日 |
| カノークス、東北のサプライチェーン強化 小川真功商店(仙台)を子会社化 大手が顔を揃える背景に、毛細血管先細り カノークス(愛知県名古屋市、小河正直社長)は7月1日付で東北エリアを主力とする小川真功商店を完全子会社化する。この取り組みにより同エリアにおけるカノークスのサプライチェーンの強化を図ることができる。 小川真功商店は資本金1200万円、設立は1954年9月。仙台市宮城野区に本社を置き、小川正勝氏が社長を務める。カノークスとは鋼材の取引関係があり、鋼材の卸や加工を手掛けている。カノークスは岩手県北上市に東北支店や物流拠点、カノークス鋼管北上をもつ。今回子会社化で南東北エリアを強化できるため、東北という広いエリアでよりきめの細かいサービス提供が可能となる。 カノークスは現在2025年から27年度までの第11次中期経営計画を推進中だ。成長投資に30億円を計画。サプライチェーンの拡充や人的資本、DX投資に充てる。同社は自動車や住宅、建材の3つの事業を核としており、多くの優良需要家を抱えている。27年度には拠点数を21カ所(24年度末は16カ所)に拡大する計画だ。全国に拠点を展開している同社だが、需要家の立地を考慮するといくつかの手薄と見られるエリアもある。その1つが今回の東北エリアである。 大手流通ではアイ・テックや小野建が関東以北のエリア強化を積極的に進めている。阪和興業は田中鉄鋼販売を子会社化し、この東北支店を通じてエリア対応を強化。地場の有力流通はあるが、後継者不足や高齢化による取引先企業の経営問題に直面している。こうしたテーマが大手の進出を促している一面がある。メーカーの供給構造の変化も一因にある。カノークスの場合は従来からの需要家対応を踏まえМ&Aに踏み切るケースが多い。名だたる流通が顔を揃え東北はホットなエリアとなっている。 |
| 2026年5月15日 |
| 日本製鉄、Ni系1万円値上げ 中東影響、6月以降の懸念増す 値上げ止まぬ様相、Niさらに上昇 日本製鉄は5月契約の国内店売り向けニッケル系冷薄価格をトン1万円値上げする。2カ月ぶりの販価引き上げとなり、クロム系も5千円の値上げとなる。アロイリンクを反映してベース価格は改定しないが、足元の中東情勢不安の拡大や、自社の生産活動への実影響も徐々に懸念が増し、6月契約以降のベース価格引き上げを検討する流れだ。実際の国内ステンレス需要は、過去の好調時に比べ高水準とはいいがたいが、各種原価のさらなる突き上げで、順次流通相場などももう一段引き上がることが想定される局面に入った。 供給不安が高まるニッケルも、LMEニッケル価格の平均は3、4月でlb7・96jとなり、2、3月平均から0・20j上昇した。5月に入り13日現在では8・63jとさらにアップ。クロムも6月契約からは四半期契約の値上がりがさらに効く。このペースでは6月契約もアロイリンク要素だけで値上げとなる可能性がある。薄板需要は、半導体関連が好調でそれ以外の建材や産機は向け先ごとの色合いが異なる。少しずつ流通の在庫率が下がり、以前よりは値上げ環境が良くなっている。海外材の流入が明らかに減少し、3月のステンレス輸入は前年同月比34・0%減の1万9431d(日本鉄鋼連盟統計)とかなり国の通商施策が効いている。海外材の流通相場は中国材ベースで底値から10万円程度上がっているとの声もある。 資材不足が加速し、ユーザーが商品を造れなくなると、需要面もダメージを食らうことが考えられる。薄板ミルの稼働率は80%強程度と徐々に改善中だが、ミルや商社流通、ユーザー含めて資材・原料や、注文が干上がらないようケアする必要もありそうだ。厚板も1万円の値上げで、割合堅調だった海外も不透明感が強くなっている。比較的安定している造船や半導体関連に依拠する雰囲気。厚板ミルの稼働率は80%程度となっている。 |
| 2026年5月14日 |
| 山特吸収合併、オバコ子会社化 日本製鉄名実とも世界企業に 日・米・印・泰・欧の5極体制へ 日本製鉄は13日、山陽特殊製鋼の吸収合併とオバコの子会社化、USスチールのスロバキア事業会社の子会社化を発表した。日鉄はUSスチールとAM/NSインディアに積極投資しビジネスチャンス拡大に動くなかで、海外では米国・インド・タイに欧州を加えた4つの軸を育て上げようとしている。今回の発表ではこの欧州に焦点が当たった。 山特は連結決算に貢献する優良事業会社だったが、連携強化によるシナジーを見込み、日鉄は完全子会社化に踏み切った。日鉄のドメイン事業に関わる子会社は親会社との一体マネジメントを必要としており、すでに吸収合併した旧日鉄ステンレスはこうした取り組みの一環と見る。山特の場合も同様だった。だが、山特は旧日鉄ステンレスのように、親会社の一部を分離独立させ、それを再び一体化したものとは異なる。ハードルは高いはずだが、今井正社長は子会社化を決定して以降、親子の間で幹部や部長級社員を含めた交流や意見交換を進めており、互いに理解を深めることで、吸収合併に手応えを感じたそうだ。もともと子会社化を決めたときに、今回の件は念頭に置いていたという。 オバコは山特のグループになってからはカーボンニュートラルを推進し、域内のグリーン鋼材を優遇する欧州市場においておおいに貢献してきていた。だが、インドも含め海外で事業を拡大していく山特としては、業容と人材確保がバランスせず、将来的経営は過渡期にきていた。日鉄のエリア戦略と合致し、山特との合併はシナジーを生みやすいと見る。国内特殊棒線の供給体制の最適化について取り組みを進めるためにも、社内に取り込むことが肝要だ。設備投資においても有利に進む。USスチールのスロバキア拠点もエリア戦略の重要なカギ。日鉄はグループ戦略でさらなる進化を遂げる。 |
| 2026年5月13日 |
| 阪和興業、3カ年新中計が始動 海外育て経常益750億円へ 鉄鋼部門は利益435億円めざす 阪和興業は3カ年の中期経営計画を策定し、最終年度の2028年度目標に「経常利益750億円(25年度実績523億円)」「グローバル鉄鋼取扱量1700万d(同1433万d)」などを目指す。前中計期間に強化した財務基盤・リスク管理体制を土台に「サプライチェーン創造型商社」として成長を図る。累計投融資枠1600億円を設けた。都内の本社で12日に説明会を開き、中川洋一社長は「攻めに出ていく」と話した。「人材育成にも今まで以上に力を入れ、投資ポートフォリオの見直しもしていく」方針だ。 「Go Beyond―殻を打ち破れ」をテーマに据えた新中計では「非連続的成長に資する攻めの事業投資への転換」「事業戦略を推進するための原動力となる人的資本の強化」「事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築」を着実に進め「ROE(株主資本利益率)12・0%以上」「DOE(株主資本配当率)3・5%下限・総還元性向40%程度」「Net DER(総資産利益率)1・0倍程度」に引き上げる。同社は国内事業で創出したキャッシュを成長市場の域内ニーズに応える機能へ重点的に投下し、インサイダー化を進めて「グローバルでの成長」を加速させる。将来的な売上高比率は現在の国内62%・海外38%(うちアジア31%)から国内50%・海外50%(うちアジア30%)へと変えていく。 セグメント別経常利益は今後3年で鉄鋼事業435億円(25年度実績387億円)、プライマリーメタル事業50億円(同1億円の赤字)、リサイクルメタル事業45億円(同13億円)、食品事業50億円(同30億円)、エネルギー・生活資材事業140億円(同85億円)、海外販売子会社130億円(55億円)にしていく。鉄鋼事業では加工ソリューションやエンジニアリングなどの機能を組み合わせて高付加価値を生み出す。 |