2019年3月19日
一般形、主力メーカー値上げか
JFE条鋼が検討
3月中にも市況の潮目迎える

 (東京)一般形鋼市況に再浮上する可能性が高まっている。主力流通では昨年11月からメーカー値上げの転嫁に強力な姿勢で挑んだが、マーケットが落ち着いてきたため、年明け以降は強気調横ばい状態が続いていた経緯がある。ベースは8万7千円前後だが、荷動きに勢いがないため下値がさらに下がる傾向があった。市況上昇の突破口となるのが主力メーカーの値上げだ。JFE条鋼では諸コストの上昇はもちろんのこと、このところ上昇ピッチが早まっている鉄スクラップ価格を反映させるべく値上げの検討に入っている模様だ。同社では条鋼類については全般的に値上げ実施の必要性を考えているという。鉄筋については小刻みで値上げを実施しており、今後もこの手を緩めることはないそうだ。副資材や物流費上昇はこれまでの値上げをもってしても、まだ充分にカバーできている状態になく、そうこうするうちに鉄スクラップ価格が再上昇してしまったというのが実態だ。
 流通では需給バランスにおいて決定打がないため、顧客に対して今以上に強気を通すことができないでいた。そのため、メーカー値上げというカンフル剤があればという声も出ていただけに、主力メーカーが値上げに動くことには異論はないと見られる。ただ、これまでの値上げの転嫁が済んでいない状態であるだけに余りに大幅な値上げだと受け止め切れない。
 一般形鋼の場合、1社が動き出せば他メーカーへの波及が早い。メーカーの値上げの動きが本格化すれば、3月中にも市況は潮目を迎えることになるだろう。4月以降は例年、荷動きが停滞し市況も緩みがちになる。今年は5月の連休が長いため、マーケットの停滞に関して流通としても警戒感を強めていた部分がある。今回メーカー値上げの話が持ち上がったことで、難しい局面の突破に光明がさしてきた。
2019年3月18日
JFEと宝鋼の子会社が電池材料で提携
年産1万dの設備建設FS
急速に進む中国の電動自動車需要に対応

 JFEスチールの100%子会社であるJFEケミカルと中国宝山鋼鉄の100%子会社である宝武炭材料科技は、中国での電池材料(負極材)事業に関する合弁会社を設立するため、同プロジェクトの事業性(フィジビリティ・スタディ=FS)を行うことを決定し、15日、合弁意向書を締結した。
 JFEケミカルは、主に日本市場で電池材料(負極材)事業を展開しているが、かねてから中国での電池材料(負極材)事業の可能性を検討していた。中国は電動自動車の普及を急速に進め、世界最大の市場となっており、その主要部材である電池材料(負極材)の大きな需要が期待できる。このプロジェクトでは、中国・内モンゴル自治区の烏海市で宝武炭材が炭素事業をすでに展開していることもあり、その一環としてJFEケミカルが参画することを前提としてFSを実施することにした。
 第1期として、宝武炭材が烏海市で同時期に生産開始するニードルコークスを原料とした負極材について、年間生産能力1万dの設備を建設し、2020年に稼働させることを想定して、FSを実施する。
 19年前半を目処に、必要なインフラ整備、各種インセンティブの確認も含めた事業性が確認できれば、宝鋼との合意を前提に、宝武炭材と電池材料(負極材)事業を共同で実施していきたい考えだ。
 宝武炭材は、内モンゴル自治区烏海市で、現地の石炭事業会社である黄河集団と合弁で30万d能力のタール蒸留事業を15年に立ち上げており、その川下展開として年間生産能力5万dのニードルコークス設備を、20年後半稼働を目指して建設中で、同プロジェクトはこれに同期化するものだ。同社は上海には同8万dの設備を持ち、カーボンブラックは同34万dの設備を有しており、電極は同10万dの設備を蘭州に建設中だ。
2019年3月15日
コイルCのBCP推進は必須
業務補完、効率性も追求
災害・不測の事態に協同対処

 コイルセンター(CC)経営の今後に業界としてBCP(事業継続プラン)を持って臨むことが不可欠との声が出てきた。災害など不測の事態に遭遇して、加工デリバリーの使命に支障を来さないような体制を構築することは、個々の対策では限界があり、協同の対応を担保していく必要があるが、そのための基盤形成に着手すべきときという。北雅久秋津鋼材社長はそう提唱し、とりわけオーナー系CCの意識改革に取り組む構えだ。
 今年の関西コイルセンター工業組合の新年の集まりでも、北会長は業界の課題としてBCPの推進を取り上げ、多様な準備に向けて行動を起こすときだと話した。商社系CCは全国化を進めるなかで危機管理対応、BCPを推進しているが、オーナー系は個々の経営に追われ、不測の事態への対処は万全といえない。CC会員同士で能力・業務補完を目指し、全国コイルセンター工業組合が各地で実施している生産性向上、能力開発に重点を置いたセミナーの活用など、人材育成も含めた協同性の意識を浸透させることが迫られている。
 北社長は、自動車業界で生産の海外シフト、EV化が進む時代の変化に対応すべく社員の待遇改善や新しい課題へのソリューションを提案できる人材の確保へ力を注いできた。往時には2300万dの年間加工・出荷量を記録したCC業界は、いま1650─1700万dに縮小したが、これを「悲観しすぎず、なくなることはない鉄鋼需要の流れのなかで、地道に事業の継続を図る手だてを揃えなければならない」と言う。CCは日常的に賃加工など受発注を工夫し、生産効率を高めているが、需要の変動や災害などに対して助け合う基本契約を結び、工場操業に支障が生じても同業者の力でカバーし合い、BCPを確立しなければならないという。
2019年3月14日
ASEAN地域で形鋼生産を模索
JFE条鋼、海外展開へ
現地電炉との連携・提携進める

 JFE条鋼は2019年度中に、ASEAN地域における形鋼・鉄筋棒鋼の生産・販売構想の詳細を固める。17年度に発足した海外事業部の1つの柱として、現在も韓国や台湾、豪州などに鋼材を輸出しているが、それに加えてさらなる海外への供給を拡大すべく、現地電炉メーカーなどとの連携・提携を進める考えだ。
 旺盛な鋼材需要が見込まれる地域で、国内製造拠点1カ所と同規模の拠点立ち上げを検討。展開地域や出資形態、生産品種などは今後詰めるが、JFEスチールのグループ会社が多数展開するベトナムや日系競合メーカーが進出していないマレーシア、経済発展が著しいフィリピンなど複数国を対象に、現地メーカーとの交渉を進めていくと見られる。交渉や事業環境の変化次第では海外展開の延期も視野に入れるものの「このタイミングで海外進出できなければチャンスを逸する」(岡ア慎二常務執行役員)との認識から計画の具体化を急ぐ。
 海外生産計画は17年4月に発足した海外事業部が中心となって進めており、21年度からの3カ年中期経営計画中には海外生産を開始しておきたい考え。「競合他社の進出状況、市場の伸び率、商流、JFEグループ会社の進出状況などを総合的に勘案」(岡ア常務)して判断していくことになるが、複数国での展開ではなく「まずは1カ国で足場を固める」方針。すでに上工程を有しているミルとの連携や、現在形鋼を生産していない現地メーカーとの協業なども検討している。JFE条鋼にとっては初の海外生産拠点から成長市場に鋼材を供給できるメリットがあり、提携先にとっては形鋼生産ができるようになることに加え、技術供与による各種製品の品質向上を図ることができる。
2019年3月13日
関東鉄源、3月スクラップ輸出
3万4010円で2155円アップ
西送り増、発生低水準など背景

 関東鉄源協同組合は12日、鉄スクラップの3月契約分の輸出入札を行った。落札平均単価は3万4010円で前月比2155円高となった。落札数量は1万2200d。1番札、2番札ともに同水準の価格で、1番札が7千d、2番札が5200dだった。国内の発生の数量水準が低いこと、西送りが増えていることなどから業界内の予想より高値がついた。3番札は3万3720円だったが、4番札と同様5千dの応札であったため、今回は2番札までとした。応札は19本で、平均応札価格は3万2975円。全体的に予想より高値の応札水準となっている。事前予想では業界関係者の見方は強気調横ばい、あるいは値上がりとで割れていた。これまでの契約残の消化は目途がついており、今回の船積みについては3月内での消化となる見通し。
 いきなり2千円以上の値上がりとなったことで、電炉メーカーには大きなインパクトとなる。収益面では鉄スクラップ市況が3万円を割っていた昨年末までにある程度の目途をつけているはずだが、1─3月はメーカーの予想通りの価格展開にはならなかった。海外市況が急転することはないだろうが、既に米国のコンポジットは直近で20jアップの318・33jとなっており、鉄鋼原料についても鉄鉱石がスポットで80j後半の高値がついていることから、今後はじわじわと値上がりが予想される。また国内についても高炉トラブルが回復してきており、上級スクラップが国内市況を今以上に牽引してしまうことも否めない。
 電炉製品の市況形成において、今回の関東鉄源の落札価格は追い風になると見られるが、このままいけば関東地区の価格が上昇し、関西地区も共ずれで更に高値がつくようになる公算は大きい。西高東低相場の様相を呈しており、メーカーにとっては緊張感の高まる結果となっている。
2019年3月12日
関西地区小棒電炉に黄信号点滅
スプレッド縮小の危機
スクラップGW「10連操」に浮足立つ

 (大阪)関西の小棒電炉に危機感が広がってきた。ここにきてのスクラップ価格の急激な戻しで、湾岸電炉の購入実勢は3万5千円となり、建値を2千円も超え始めた。出荷価格の改善が足踏み状態のなかでスプレッドの悪化は否めず、新年度の事業採算に黄信号が点滅し始めた。
 共英製鋼は3契での異形棒鋼、形鋼などの実行価格引き上げを表明したが、電炉各社の大勢は「音なし」で市場価格には3月も変化がみられないままに推移。来週の東京製鉄など各社の動きが注目されている。
 今年1月までスクラップの高値が修正され、電炉各社は電極や物流費の上昇によるコスト圧迫にもかかわらず、経営的には安定した収益を手にしてきた。スクラップが3万5千円に上昇した現在も、赤字に陥るまでには至らず今年度の蓋を閉められそうではある。しかし、足元の収益状況は悪化しつつあり、新年度4月からのコスト諸元が引き続き上昇する方向にあることも考慮すると楽観できない情勢がそこまできているのは否めない。販売価格は、異形棒鋼の契約価格の改善が昨年末から足踏みし、出荷明細が集中しても平均価格の底上げが進んでいない。昨年後半に減少した契約残は、スクラップの反転上昇から再び増加に転じたもののベース6万8千円から7万円をうかがった昨10月の勢いを失ったままだ。鋼種・サイズエキストラを含めた平均価格との差引きでのスプレッドは3万数千円と若干の黒字を残してはいるが、4月以降の情勢によっては、風前の灯といえる。
 形鋼電炉もマージンの低下が指摘されており、共英・山口が3契で提示したような改善が迫られ始めた。東京製鉄・岡山は2月から9回の購入価格改定で5千円の引き上げを実施。2カ月余でトレンドは変わった。GW10連休に向けて「地合いは強い」とされ、電炉各社に緊張が走っている。
2019年3月11日
韓国H形鋼市場が難局面を迎える
日本にも悪影響か
中国材増加、市況反転への影響危惧

 韓国マーケットにおけるH形鋼市況形成が難しい局面に直面している。中国などからの輸入材の増加により反転し始めた市況にどのような影響を与えるのか、日本の業界関係筋によれば注目どころだと言う。韓国では2月になって中国からの輸入がさらに増加している。昨年末に中国国内でH形鋼が値下がりした時に仕込んだものと見られる。韓国ではメーカーや流通が値上げに取り組んでいるだけに、輸入材の増加が冷や水になりはしないかと、関係筋では懸念している。日本でも同様なことが起こりつつあり、1─3月の需要低調期に輸入材が増加することは市況形成に悪影響を及ぼすことになるからだ。日本の流通関係者から見れば他人事とは思えないだろう。
 韓国メーカーや流通が問題視しているのは、このまま輸入量が増加し続けるのではないかという点だ。中国国内では景気浮揚策として政府が公共予算をつけているが、市中の価格とは別に国内在庫は増加したままだ。鋼板類だけでなく線材や丸棒も含め条鋼類の市中価格も上がり始めているが、そう本調子ではない。こうしたことを踏まえ、今後中国材による、韓国向け供給が増えることは回避できないのではないかという危機感が韓国国内にも漂っているようだ。
 中国材は国内材と比べ大きな割安感がある。日本に持ってきても1万円内外の差はつく。韓国国内が持続的に良好な景気であるならばともかく、格差が大きければ手当てに動くところがあっても不思議ではない。中国ミルは向け先においてメジャー的な使い方をしてもらうように、現地の規格取得にも熱心だ。韓国向けについてもKS規格を取得しており、品質面での保障も出来ている。韓国国内のマーケットが崩れれば、それは間接的に日本のマーケットにも悪影響が出る。