| 2026年1月16日 |
| 中国12月鋼材輸出急増、再び1000万d超え 輸出規制前の駆け込み背景に 1─2月は反動減も、春節はさみ業務混乱 中国の2025年12月鋼材輸出が1千万dを超えた。1130万dで11月の998万dを大きく上回った。中国では1月1日から輸出業者の管理規制を始めており、12月の輸出急増はこの駆け込み要素が強いと考えられる。規制後も春節で通関処理に混乱が生じる可能性もある。メーカー在庫の積み上がりも今後注視しておく必要がある。 中国では1月第2週の鋼材市況は上げ下げが混在する形になった。鋼板類は値上げか横ばい、条鋼類は値下がりした。春節を控え1月後半からは建設現場が休みに入る。そのため材料手当てが落ちており条鋼類の市況下落につながった。鋼板類は3月積みで宝鋼が値上げを打ち出したことなどから若干ではあるが値上がりした。上海地区のホットコイル市況は3200元から3300元で推移。宝鋼など大手ミルは値上げ方針を示したが、一方で粗鋼生産が増えており需給対策としては矛盾している。国内が完全に不需要期に入っていて、増産をカバーするだけの受け皿はない。日当たり粗鋼生産は約230万d。全ての品種ではないが一部で増加傾向が見られるという。ミル在庫にも増加傾向が見られるという。 輸出規制のための手続きの混乱を考えると、単純に中国からの輸出量が減少するとは考えにくい。ただし、12月に駆け込みが急増したことで、今後はその反動がつき減少する可能性が高い。3月積みのホットコイル輸出価格はFOB455jで変化はない。主要な輸出国からの通商対策を受け、中国政府は輸出業者に対する認可を厳しくし、表向きは対策を講じているように見える。だが、政府の政策の前に業者は対策を打つ。そのため今回のような一時的な輸出急増の減少が起きる。行政のコントロールが行き届かないことから、事態の収束には時間を要するだろう。 |
| 2026年1月15日 |
| かさむ固定費に鉄スクラップ追打ち 共英、14日から鉄筋10万円 全事業所で販価の立て直しに全力 共英製鋼は14日、全事業所で1月の異形棒鋼販価を10万円とし、商社各社に周知、徹底を期す方針を打ち出した。鉄筋市況は地域差が大きく、これまで値上げ幅の表明に市況形成を依存してきたが、年度下期に入って電力、人件費、運賃の上昇に加えて操業低下に伴う固定費負担が増加。さらにスクラップ高に追い打ちをかけられる事態となった。 事業所立地の市況地域差も、高値圏にあった関東、中部で10万円割れとなり、1─3月の採算悪化は想定を上回る惨事となってきた。スクラップ価格も円安で4万5千円を超え、5万円のスプレッドでは再生産がおぼつかない情況という。 この1年、スクラップ価格は4万円台前半で安定し、大きなコスト変動を招かなかったが、ここにきて円安のダメージが出てきた。山口事業所の炉前価格の上昇は大きく、鉄筋販価10万円は必須の課題。 関西地区など実勢9万円固めに至らない地域で10万円の新価格はハードルが高いといえるが、合金鉄などクオーター制の市況品の上昇も見落とすことができない。共英製鋼は旗艦の山口事業所でもコスト高による不採算に直面し始め、異形鉄筋ベース10万円への回復は必須の課題となった。 九州トーカイも20日から10万円 九州トーカイ・デーバースチールは20日から異形鉄筋の販価を10万円に引き上げる方針を取引商社に伝えた。 九州地区では異形ベース9万5千円固めが進み、次のステップが注目されていたが、諸般のコスト上昇を受けて10万円の売り出しとなる。熊本のTSMC半導体新工場の着工延期など不安材料もあるが、他地区に比べ建設需要の落ち込みが少ないことも踏まえ、鉄筋値上げを進める。 |
| 2026年1月14日 |
| JFE、耐火被覆低減工法適用拡大 H形鋼梁対象、厚み最大4割減 建材商品の機能が施工合理化貢献 JFEスチールは、耐火被覆低減工法をH形鋼梁に適用拡大する。この工法は2016年に鋼管柱向けに開発されたもの。被覆厚の低減により、室内有効空間の拡大や施工省力化、コスト削減につながるため、事務所や商業施設、学校、ホテルなど幅広い用途で採用されてきた。好評で鋼管柱とH形鋼梁の両方で同工法を採用したいとの要望が強く、今回の適用拡大に結び付いた。 耐火被覆とは、ロックウールなどの耐火性・断熱性の高い材料で柱や梁を覆うことだ。火災時に熱変形し倒壊する危険を防ぐためだ。被覆材として吹付けロックウールを使用する場合、1時間の耐火構造で厚さ25_、2時間で45_、3時間で60_の厚みが必要となる。同社は同工法の適用をH形鋼梁に拡げることで、1・5時間耐火で25_厚を実現した。すでに国交省の大臣認定を取得済みだ。最大4割の厚み低減ができる。 同社は鉄骨部材と耐火被覆の熱容量に着目した。要求される耐火性能を満たす、鉄骨部材の断面寸法を規定した。こうすることで吹付けロックウールによる耐火被覆材の厚みを大幅に低減できるようになったのだ。今回1・5時間耐火で認定を取得したが、H形鋼梁を用いることで実現させている。H形鋼梁には貫通孔を設けることもできる。工法の対象となるのは外法H形鋼(スーパーハイスレンドH)と溶接H形断面梁(400×200×12×19以上)となっている。 同社はJFEスクラムの活動を通じ、建設業界の課題にワンストップで対応できるよう取り組みを進めている。施工の合理化については近年、とくに注力し要望に応えてきた。素材や加工品で輸入材が取り沙汰されるが、同社は機能と付加価値向上で競争力を高めている。 |
| 2026年1月13日 |
| 関東鉄源、1契鉄スクラップ輸出入札 4万6700円台、1000円値上がり 昨年最高水準を上回る、国内リンクせず 関東鉄源協同組合は9日、鉄スクラップの1月契約輸出入札を行った。落札価格は1番札のみで4万6771円で前月比1023円高だった。成約量は2万dだった。今回稼働が少ない2月積みで2万dを落札した理由として、季節柄物流が少ないことで船の手配がしやすかったこと、フレートが値下がりしたことなどが挙げられる。向け先はベトナムかバングラデシュと見られる。 応札量は12万5900dで15件。辞退商社はゼロだった。1船2万dには全組合員の賛同を得たうえだった。前述で触れたことが背景にあることに加え、関東電炉の生産量が低迷していることから、業者の輸出への傾注は大きくなっていた。それでも地元電炉への供給はもちろん最優先としている。今回の向け先候補とされているバングラデシュは2月に大統領選挙を控えているが、買いつけは堅調さを維持。またベトナムも買い方がしっかりしているという。 契約残については昨年の11月契約が残り5千dあり、1月7日から10日で積む。12月契約分の1万5千dは13日から23日の積込みとなる。月内に11月と12月契約が消化できることも1月の成約結果につながった。 今回の1千円強の値上がりは役員のなかでも想定外だったという。国内の市況ともかなり差が生じている。関東鉄源というブランド力が底上げしている部分もある。今後は海外の鋼材市況との価格バランスが気になるところだ。高炉原料が値上がり始め、恐らく影響は鉄スクラップ価格にも及ぶ。この傾向は鋼材市況にも反映されると見られる。国内の鉄スクラップ市況に伝播するにはタイムラグが生じる。電炉もこの間に製品価格の立て直しが必要となるだろう。 |
| 2026年1月9日 |
| 日本製鉄、ステン薄板5000円値上げ Ni系4カ月連続、相場突上げ 海外材、複数国の迂回輸出に警戒 日本製鉄は国内店売り向けの1月契約のニッケル・クロム系冷薄価格を、トン5千円値上げする。アロイリンクを反映し、ベース価格は据え置く。ニッケル系は4カ月連続の販価引き上げとなり、値上げ額の累計は2万5千円に達した。流通市場では、鋼材だけでなく物流費や人件費上昇を受けて価格転嫁を進める動きが少しずつ出ている。規模の大小を問わず流通によって値上げ姿勢にまだ温度差があるが、ゆっくりながら相場上昇に向かっていく気配だ。 海外材輸入は昨年7月のアンチダンピング調査開始を受けて足元中国が減少、韓国が増加する傾向がみられ、日本製鉄は迂回輸出を強く警戒。「緊密に政府と相談しながら、必要な輸入対策を強力に進める」とする。昨年11月のステンレス輸入統計でインドやベトナムなどの数量が増え、一部は迂回輸出で増加していることも考えられる。すでに鉄鋼5団体連名で迂回防止制度の設置も国をプッシュし、対策を続ける。 昨年11─12月のLMEニッケル平均価格は10―11月比でわずかに下落してlb6・71jとなった。だが、昨年末にインドネシア政府が、2026年のニッケル鉱石採掘承認数量の大幅削減を決定したことでニッケル価格は急騰。6日現在でlb8・09jと約2年ぶりの高値をつけた。今後、順次価格が落ち着くとの見方もあるが、ステンレス鋼材の価格がすぐに軟調になることはなさそうだ。為替も11─12月平均で156円を超え、円安傾向が続く。 稼働率は薄板、厚板ミルともに80%強程度で、暖房機器関連の生産本格化、需要回復がずれ込み続ける半導体関連が一部で改善気配があるなど、全体需要も底を打った。厚中板も5千円値上げ。海外のLNG火力発電、原発などエネルギー関連、造船などは比較的好調。国内も、エネルギーや造船などは今後需要がより出てくるとみられ、期待感がある。 |
| 2026年1月8日 |
| 主要地区で流通底打ちタイミング待ち 電炉の価格死守に緊張感 1─3月高炉の主力品種価格動向注目 年が明け主要地区流通の関心は、鋼材市況の底打ちタイミングに移った。条鋼類から鋼板類に至るまで市中価格は下げ止まった。ここからは収益悪化のスパイラルから脱出したいところ。先行してメーカーが値上げをした条鋼やパイプは、空気が変わり始めた。メーカーが頑強に価格にこだわっているためだ。交渉次第と捉えていた流通の想定は崩れた。電炉だけでなく、高炉の主力品種における値上げも現実味を帯びてきた。新年会が一巡するまでに流通の売り方が変わる可能性がある。 昨秋、電炉メーカーは原料以外のコスト上昇要因を理由に値上げラッシュになった。鉄スクラップの高どまりと、生産量の減少は電炉メーカーを収益的に追い詰めた。鉄スクラップ以外のコスト要因に着目し、メーカーは値上げ表明を急いだ。小幅な値上げだったが、電炉は形式的なもので終わらせなかった。はじめは半信半疑であった流通も認識を変え始めた。ところが年末時点で各地区の市況に目立った変化はない。数量と価格に対する葛藤があった。だが、高炉の値上げ説が取り沙汰されるようになると、また変化した。高炉のパイプ値上げがその始まりである。1─3月の期中で鋼板類に値上げが及ぶという観測は日に日に強くなった。年明けの市場形成の道筋が見えてきたといえる。 昨年市況は値下がりしたが、過去に仕込んだストックで流通は厳しい場面を切り抜けた。今年はストックはなくなり丸裸で荒波に放り出される。だから流通各社の危機意識はこれまでになく高まっている。 為替は円安に振れ、原料価格上昇を理由に輸入材の競争力が削がれる。様子見を決め込む状況ではなくなった。1月からの高炉や電炉の価格対応に注目が集まる。 |
| 2026年1月7日 |
| アジア鋼材市場に底入れ間近の可能性 中国・ベトナム国内値上げへ 原料コスト要因大、域内ミルに広がりも アジアの鋼材市況がいよいよ底入れしそうだ。中国やベトナムで国内価格引き上げの動きが出ているためだ。3月積みで両国では主力メーカーが値上げを表明しており、こうした動きがアジアの他メーカーに広がる公算は大きい。値上げの動きは原料コストに影響されたもの。 昨年末までアジア市場は混とんとしていたが、ここへきて空気が変わってきたのは原料価格が上昇に転じたためだ。主要国では通商対策を講じて輸入材を規制し、国内需給調整に取り組んでいる。効果に持続性は見られないが、コストを理由にしたメーカーの値上げは、低迷する市況のてこ入れにつながると見る。 難問は中国の輸出の数量や価格動向だ。中国では宝鋼が3月積みで国内向け値上げを実行する。小幅ではあるが春節で中だるみする市場の支えにはなる。これが輸出の数量や価格に連動するか不明だが、原料コスト転嫁は少なからず輸出にも影響を与える。中国の流通在庫は昨年の春節以降、最も低い水準に下がった。政府やメーカーはこのタイミングを逃さず国内市場を立て直す手を打つだろう。 中国の国内価格に対してベトナムメーカーは敏感な反応を示してきた。1月積みでホアファットが下げたのは中国の一部メーカーに値下げの動きがあったからだ。だが、今回は小幅上げに転じた。中国やベトナムだけではない。アジアの主要国が輸入の規制と国内価格の引き上げの二刀流で市場の立て直しに動くだろう。原料が値上げトレンドにあるうちがチャンスだ。これは日本にも当てはまることだ。昨年末に鋼管類で高炉の値上げがあきらかになった。この時は原料以外のコスト要因に焦点が当たった。今年の高炉の動きに注目だ。 |