| 2026年8月10日 |
| 関東鉄源、8契鉄スクラップ輸出入札 4万9000円、前月比3000円下げ 為替の円高と海外市況の下落を背景に 関東鉄源協同組合は7日、8月契約の鉄スクラップ輸出入札を行い、落札は1番札のみで4万9086円だった。前月比3422円下落した。成約量は2万d。今年に入って値下がり傾向が出ていたが、ここまでの大幅下落は久方ぶりのことだ。下落の要因は為替が162円から158円へ円高に振れたこと、海外市況が値下がりしており、バングラデシュやベトナムでは仕入れを様子見する傾向があったことなどが挙げられる。 応札は12件。件数が減ったのは2件が時間切れとなったため。応札量は10万5400dだった。南光司理事長(ミナミ社長)は個人的な見解として、今回の価格よりこれから下がることがあれば、底になるのではないかと見ている。その理由に挙げるのが、米国のトルコ向けの価格と、応札量の増加だ。米国スクラップのトルコ向けは380jでは成立しなかった。米国国内の旺盛な需要を背景に下げに慎重になっているという。もう1つの応札量については、前月は9万d台だったが今回は10万dの大台に乗せた。前回は海外市場が不安定な状態で入札時に消極的な姿勢が見られた。 浜値は4万6500円から4万7千円。それに比べ割高なのは関東鉄源ブランドの下支えがあるからだろう。ただ理事長の見立てにもあるように、9月の入札時はまだ下落のリスクは残っている。8月の関東の電炉メーカーの生産量は22万4千dだった。これは過去最低とも言える水準だ。メーカーが値下げをしても入ってきてしまう状態にある。建築需要の低迷が背景にあるが、鉄スクラップ業者も国内の売り先に苦戦している。それでも発生が少ないことで市況の下落幅が抑えられている。メーカーにとっては今が値上げの正念場。原料以外のコスト上昇を考えると、鉄スクラップの値下がりには複雑な思いがあるだろう。 |
| 2026年8月7日 |
| 阪和グループ、形鋼類を値上げ H形鋼下限12万円めざす 17日から関西でまず3000円引き上げ 阪和興業とグループの三栄金属、ダイサンの3社は、関西地区において17日からH形鋼、一般形鋼(山形鋼、溝形鋼、不等辺山形鋼、I形鋼)、平鋼をトン当たり3千円値上げする。 下限価格の目標としてH形鋼12万円、一般形鋼12万2千円、平鋼13万3千円、不等辺山形鋼・I形鋼で15万1千円を掲げ、安値払拭を徹底する。阪和興業グループは7月帳破明けからも2千円の値上げを実行しており、今回は盆休み明けの中弛みを防ぐことで、マーケットに緊張感を持たせたまま積み残しの転嫁を完遂させるのが狙いだ。 昨秋以降、形鋼メーカーは累計で2万円近い値上げを実施している。しかし流通が実際に転嫁できた分は、メーカー値上げの半分にも満たない。在庫は高値玉に入れ替わり収益は悪化する一方だ。材料の値上がりだけでなく、人件費・物流費などの流通自身のコストが著しく上昇している。これまで値上げに取り組んできたが、流通コストの部分はなかなかカバーできていない。関係者の間では疲労感が漂っている。 要因として需要に追い風が期待できないことが挙げられる。一部大型・再開発案件では秋口以降の材料手配に期待感が高まっているものの、特約店のメーンの向け先である中小案件は依然として低迷が続く。関係筋は「数量面では期待できない。収益を確保するには販価是正が不可欠。毎月の在庫簿価は確実に上昇しており、本来であれば現時点でH形鋼の下限値が12万円になっていなければならない」と語る。 需要無き値上げは流通各社が息切れする。こうした状況下ではマーケットに影響力の強い大手流通のけん引が必要だ。阪和興業グループが積極的に値上げ方針を打ち出すのは、マーケットにカンフル剤としての効果をもたらすためだ。(本紙2面に続く) |
| 2026年8月6日 |
| 高炉3社第1Q連結業績まとめ(上) 製品販価改善が下期収益好転 中東情勢影響、コスト悪化は軽減 高炉3社の2026年度連結第1四半期業績が出そろった。3社とも通期売上高見通しが前回予測を上回った。日本製鉄は11兆2千億円で2千億円のプラス、JFEホールディングスは4兆8500億円で500億円プラス、神戸製鋼所は2兆6900億円で1300億円プラスとなる。日鉄の場合はUSスチールという特殊要因があるが、各社の改善の根底にあるのは製品販価引き上げ効果を織り込んでいることだ。一方で事業利益の見通しについては日鉄を除く2社は据え置いた。 JFEホールディングスは通期事業利益を2150億円で据置きとした。上期900億円、下期1250億円の配分だ。下期比重の高さは鉄鋼事業の好転にかかる。JFEスチールの上期対比で下期セグメント利益はプラス400億円の700億円の見通しだ。製品価格改善によるスプレッドが590億円の大幅改善となることが大きい。在庫評価益は上期の反動で下期は300億円のマイナスとなるがスプレッドの改善がそれを上回る。コスト70億円、数量・構成30億円、グループ会社などのその他項目で10億円がそれぞれプラスとなる。製品価格改善は着実に浸透しているという。平均単価は25年度第4四半期で12万3400円だった。26年度第2四半期予想は13万4千円程度を見込む。延べ1万5千円の値上げに取り組んでいるが上期中に効果の大半を織り込む。中東情勢の影響は通期で600億円とした。(本紙2面に続く) |
| 2026年8月5日 |
| 日鉄、USSがグループ収益の牽引車に 26年度事業益6300億円に上方修正 中東影響当初予測から半減、第1Q250億円 日本製鉄は、2026年度通期連結事業利益見通しについて、期初予想より1千億円上方修正し6300億円とした。USスチールがグループ収益の牽引役となること、在庫評価がプラスに転じることなどが要因だ。国内製鉄事業が建設需要の低迷やコスト上昇で利益を減らすなか、米国をはじめ海外事業が収益を伸ばす。 26年度の実力利益見通しは、前回見通しで中東影響を含まず7千億円以上としていたが、これを中東影響含むに変更した。中東影響は第1四半期時点で250億円のマイナスだった。当初は500億円としていたが半減した。ホルムズ海峡を通過せず代替輸送経路を活用し出荷影響を軽減したため。 USスチールの26年度実力利益は前回見通しの1千億円以上を大きく上方修正し1800億円以上とした。操業改善努力やビッグリバー2の稼働が順調であることに加え、米国市況の高水準が長く継続していることがプラス要因に働いた。800億円増加のうち600億円は市況効果。日鉄はホットコイルで下期ショートトン1千jから1100jで推移すると見ている。 通期の国内単独粗鋼生産見通しは3500万dとし、25年度実績を100万d上回る。室蘭の高炉再稼働の効果が大きな要因だ。本体国内製鉄事業の26年度実力ベース利益は1200億円。前回見通しより700億円悪化する。中東影響による様々なコスト上昇が要因となっている。 第1四半期連結事業利益は1455億円だった。前年同期比535億円改善。通期の見通しにもあるように、USスチールを含む海外事業の収益増加と在庫評価益が要因だ。同社は強固な財務体質基盤確立にも注力し、資産圧縮を26年度1千億円以上実行、NSユナイテッド海運の株式一部を日本郵船に譲渡する。キャッシュ効果は360億円以上になる。 |
| 2026年8月4日 |
| 阪和興業、北中米事業強化でCC再構築 墨北部に国内2つ目加工拠点 サンディエゴはトレードのみでメリハリ 阪和興業は、北中米事業強化の一環としてメキシコに2拠点目となるコイルセンターを新設した。「ハンワ・スチール・サービス・ティファナ」(HSTJ)は今月から稼働を開始した。メキシコ北部の国境地域は米国向けの製造業が集積しており、HSTはこれに対応する。阪和興業は米国にサンディエゴ・ヴィスタ・スチール・サービス(SDV)を保有している。8月末でSDVのコイルセンター機能はHSTJに移管し、トレーディング機能だけを残す。 阪和興業はメキシコ中部のグアナファト州にハンワ・スチール・サービス・メキシカーナというコイルセンターを保有している。これに加えて需要地に近い北部に新たなコイルセンターを設けることで、これまでよりも機動的な対応が可能となる。サンディエゴのCCは2009年に電機ユーザー向けのコイルセンターとして設立された。20年近くを経過して、事業の環境は変化している。阪和興業は新設CCも含め北中米事業対応を再構築し、米国市場の成長に備える。 米国とメキシコ、カナダの3カ国にはUSMCAという協定がある。協定は一定の年数で更新されていくが、トランプ大統領はこれまでの形のままで継続することを望まなかった。メキシコとは7月に協議を終えており、次回は9月。それまで両国の間では暫定的な措置が取られる。メキシコが危惧しているのは鉄鋼・アルミと自動車輸出に対する関税だ。鉄鋼・アルミについてメキシコは現行の50%を10%まで引き下げることを要請している。決着は先だが、米国とメキシコ両国の関係は穏便な様子を保っている。 HSTJはバハ・カリフォルニア州ロサリト市に立地。代表者は藤田大策氏が務める。敷面積は3万8千平方b、建屋面積は9400平方b。 |
| 2026年8月3日 |
| 電炉大手3社、国内収益大幅減 共英・合同は通期予想修正 諸コスト上昇の向かい風 電炉大手3社(東京製鉄・共英製鋼・合同製鉄)の国内事業収益が大きく落ち込んでいる。2026年度第1四半期(4─6月)業績で東京製鉄は営業損失23億円(前年同期比70億円減)を計上。合同製鉄は営業利益5億円(25億円減)、共英製鋼(国内鉄鋼事業)は営業利益3億円(37億円減)に沈んだ。通期営業利益予想を40億円の赤字になるとした東京製鉄は据え置き、合同製鉄は65億円(33・8%減)に、共英製鋼は155億円(8・6%減)に下方修正した。足元では鉄スクラップ価格が下げ基調にあるものの、共英製鋼はメタルスプレッドが想定を下回ると見て計画値を引き下げた。中東情勢影響によるエネルギーコスト増の向かい風も強まる。 建設現場の人手不足や工期長期化の影響が続いた第1四半期は、低調な鋼材需要に変化なく、主原料・鉄スクラップ価格は高水準で推移した。円安によるエネルギーコストの高止まりなどもきつく、合同製鉄は輸送コストを含む調達コストなど取り巻く環境は「これまでに例を見ない極めて厳しい状況」だったと振り返った。同社の販売数量は連結33万2千d(前年同期比2千d増)、単体20万d(3千d減)だった。鋼材単価(単体)はトン当たり10万7千円(2100円下落)に落ちた。(本紙2面に続く) |
| 2026年7月31日 |
| メタルワンが「Metal X」第4弾提供 鉄スクラップ取引を効率化 価格・荷受情報を通知、機能順次拡充 メタルワンはデジタル変革の推進・持続可能なサプライチェーンを実現するデジタルプラットフォーム「Metal X」シリーズの提供先を鉄スクラップ分野にも広げる。鉄スクラップ取引に欠かせない通知業務を一元化するMetal X第4弾「Metal X GP」をエムエム建材、電炉メーカー、鉄スクラップ事業者とともに開発、同サービス提供を本格化する。 FAXや電話中心の業務をデジタル化して情報共有スピードと業務効率を高めるサービスで「GP」は「グリーン・ポスト」の意。電炉メーカーが打ち込む「鉄スクラップ購入価格」「荷受制限情報」を商社、鉄スクラップ事業者、運送会社・ドライバーに自動配信する。FAXコスト削減にも寄与できる。当面は無償で提供し、有償化の時期や料金はこれから詰める。利用者の声を集めながら機能改善や機能・サービス拡充を進める。 鉄スクラップ取引では各層間で価格変更や荷受制限情報などの連絡・確認業務が日常的に発生する。これらの業務では電話やメール、FAXなどの連絡手段を組み合わせて対応するケースが多く、履歴の保存・検索性や業務プロセスの標準化などの課題がある。通知の多くが突発的に発生するため、複数の関係者を経由する伝達過程で各層の現場担当者への周知にタイムラグが生じやすい問題もある。そこでメタルワンは「通知業務のデジタル化」「情報共有の即時化」「履歴の一元管理」につながるプラットフォームを開発。今春から東日本地区の約50社に試験提供を行い、本格提供に至った。 通知は個人メールアドレスに届き、パソコンやスマホなどで情報確認できる。「定型連絡や反復作業をデジタル化し、連絡手段の把握など属人化されやすい業務を仕組みで支援する」と建設鋼材BU担当者。とくに商社に需要がある仕組みだとして、メタルワングループ以外の商社にも提供していく考えだ。 |