2018年12月13日
青鋼が9`レーザー切断機を導入
驚異の性能、稼働率
世界最新鋭アマダ「ENSIS」1号機

 (東大阪)青鋼(大阪府東大阪市、青木宏代表取締役)は今年7月末にアマダ製ファイバーレーザーマシンENSIS(9`h)を導入した。この間の立ち上がりは順調で高稼働率の操業を実現、同社の主力機として威力を発揮し始めた。同機は、アマダ独自のENSISテクノロジーにオートコリメーション機能を追加した新型機。アマダは5月にENSIS─3015AJ(6`h・9`h)を一般発表したが、青鋼はいち早く本社工場に導入した。
 ファイバーレーザーはもともと薄もの加工が得意とされるマシンだが、この新型ENSISは0・5_からの薄板の高速加工・省エネ加工・高反射材といった特性を保持しながらも、最高28_までの軟鋼厚板の高速・安定・高品位加工を可能とした。高速かつ低コストでの操業が魅力という。材料を切断する際に当たるレーザー光線のノズルは材料に対して非接触式のため、傷をつける心配はない。加えて、レーザー光の太さを自在に操ることで、ファイバーレーザーによる28_厚板の高品位な切断も実現した。この最新鋭技術により、ピアス1秒で厚板も貫通、切断することができ、いままでのCO2レーザーに比べ薄板は約5倍、厚板でも約2倍ほどの速さを誇る。
 その成果は、1日の稼働率が80%以上という数値に記録されているが、その結果、同社工場の切板製造量400d(月)のうち、既存のレーザマシン4台を含めたレーザー製造量だけでも月に約360dを叩き出したという。最新鋭のコンピュータ制御により、24時間の工場稼働が可能になったことも数値上昇の要因といえよう。「今後、製造量を120%まで上げる伸び代はまだある」と青木代表取締役は現場に高い目標を課す。
 同社は1984年、大阪府大東市で事業を開始。2014年に現在の東大阪市に本社工場を移転。第2工場も市内で併せて稼働中である。
2018年12月12日
新日鉄住金、店売りH形鋼値上げ
12月契約から2000円
市況9万円突破ムードに入る

 新日鉄住金はH形鋼店売り向けについて、12月契約分からトン当たり2千円の値上げを行う。年末での値上げは異例だが、市中の需給が一段とタイト化している現状と、主原料以外の副資材や物流コスト上昇の転嫁が不可欠となっていることを踏まえ値上げを決断した。日鉄住金スチールは鉄スクラップが足元値下がりしていることから据え置いたが、次月以降の値上げの可能性について示唆している。新日鉄住金の店売り向け値上げは今年6月以来のこと。同社では店売りだけでなく、プロジェクト向けについても諸コスト上昇を踏まえた価格改善を継続して行っていくとしている。
 ときわ会統計によると11月出庫は全国ベースで9万3千dとなり、2カ月連続で9万d台の高い水準を維持している。首都圏再開発や五輪関連のみならず地方の再開発などや中小物件が動いているためである。人手不足による着工スケジュールの遅れなどで工事がずれ込んでいることで、通常ならば荷動きが落ちる。年末に至っても市中ではモノが動き続けている状態だ。そうした環境下で、メーカーは物件向けの繁忙や設備トラブル、デリバリー遅れなどを起こしており、市中在庫タイト化に拍車をかけている。
 今回、新日鉄住金が店売り値上げに踏み切ったことで、主力流通の再販価格引き上げの姿勢はさらに強くなる。持ち込みベース9万円市況到達では済まされない。鉄スクラップ価格が値下がりしたことで、東京製鉄の売り出し価格が注目されているが、業界筋では新日鉄住金の値上げが東鉄建値下げの防波堤になるとの見方をしている。年末でも荷動きが衰えないことで在庫商社、流通とも強気姿勢を貫いている。中国市場の動きが不透明なため輸入材の動きは業界では注視されているものの、店売り分野とは競合せず影響軽微と流通は意に介していない。(本紙2面に関連記事
2018年12月11日
関東地区、11月鉄筋受注が大幅減
13カ月ぶりの低水準
製品市況への悪影響の懸念も

 関東地区棒鋼メーカーの11月鉄筋受注量(明細投入量)が激減し、昨年6月以降最低となる17万2千d(前月比3万9千d減)にとどまったもようだ。このうちベースサイズ9万8千d、細物サイズ7万4千dで、特にベースサイズの落ち込みが大きい。今年度に入り前年度月間平均(22万8千d)を上回ったのは8月のみで、足元の堅調な出荷量との落差が激しい。11月は鉄スクラップ相場下落でゼネコンが発注に慎重になった可能性があるものの、需要面での懸念が強まってきた。棒鋼メーカー各社は鉄スクラップ相場と切り離した鉄筋の相場形成に力を入れているが、低迷する受注量は何とか踏ん張っていた鉄筋市況へ影響を与えそうだ。
 今年4月から11月までの関東地区メーカーの月間平均受注量は約19万4千dとなり、前年度平均比3万4千d低い。鉄筋コンクリート造の着工床面積は大きく盛り上がった4月以降は再び落ち込み、足元の鉄筋受注減は予想されていたことではあった。しかし受注量の大幅減は「今後想定以上に落ち込む不安を感じさせるレベル」(メーカー筋)にある。もっとも、再開発案件などを扱わない特約店にとっては、取引量の減少幅は実態よりも大きく感じられており、棒鋼メーカー以上に危機感が募っている。
 その結果、棒鋼メーカー各社が電極や合金鉄などのコスト高を背景に鉄筋販価維持・改善に努める一方で、流通側は鉄スクラップ相場下落局面を受けてゼネコンへの見積もり価格を下げ始めた。鉄筋市況はこれまでトン7万1千円─7万2千円で推移してきたが、一部流通が6万円台を提示しているもよう。鉄スクラップ相場の下げ幅を考えれば予想通りの価格帯となるが、流通筋は「取引量が減少して焦っている面も大きい」と指摘する。メーカーは通期赤字を回避すべく安値を突っぱねられるのか、正念場を迎えている。
2018年12月10日
JFES、ロールコラムで新製品
国内最強度JBCR385開発
34サイズ展開、プレスコラム代替可能に

 JFEスチールはこのほど、ロールコラムとしては国内最強度の冷間ロール成形角形鋼管「JBCR385」を開発し、国土交通大臣認可を取得した。これにより大スパン化、高層化する建築物への適用や、室内有効面積の増加などで設計上の自由度を一段と高めることが可能となる。サイズは最大外径550_、最大板厚25_となっており、全34サイズを揃えている(別表)。旺盛な需要を背景にプレスコラム需給は極端にタイト化し、納期も長期化しているが、JBCR385はプレスコラムからの置き換えも可能であるため、繁忙な鉄骨製作における短納期化に大いに貢献出来る。
 同商品の基準強度(F値)は385N/平方_bであり、一般的なロールコラムBCR295のF値295N/平方_bを大きく上回っている。独自技術により最適な化学成分と製造方法を設計、強度確保はもちろんのこと、高靭性と優れた溶接性を兼ね備えたものとなっている。
 東京五輪関連や首都圏再開発需要、地方の主要都市の再開発需要拡大により、建築物の高層化や大スパン化へのニーズはこの数年で急速に拡大している。そのためプレスコラムや、ロールコラムの大型サイズの注文が増え、メーカーでは供給対応に追われ苦慮してきた経緯がある。半年以上の納期はざらだ。特にプレスコラムについては、素材となる厚板需給ひっ迫も影響し納期長期化が常態化していた。強度が高い大型サイズのロールコラムへの代替選択肢は増えることは需要家層にとって心強い。
2018年12月7日
NISCが鋼板製品の値上げ表明
トン5000円程度改善へ
パネル建材製品は現行比10%

 日鉄住金鋼板(NISC)は6日、すでに交渉を進めている国内向け鋼板製品値上げについて、現行比トン5千円程度の改善必達を改めて表明した。原板調達コスト上昇などを受けて2016年度から累計トン3万円(以上)の価格改善を目指してきたが、一部取引先で目標に届いていない品種を中心に値上げ姿勢を強める。国内向け金属断熱サンドイッチパネル(パネル建材)製品についても現行価格から10%程度の値上げに着手する。建材薄板の荷動きは10月頃から好転してきており、デリバリーがタイトになり始めてきたこのタイミングを逃さずに製品販価改善を進めたい考え。北海道子会社の北海鋼機に加え、来年1月から子会社となる東海カラーや同じ新日鉄住金グループの日新製鋼建材でも同様の販売戦略をとると見られる。
 NISCは製品販価値上げを段階的に実行してきたものの、原板や亜鉛・アルミなどの副原料、輸送といった各種コスト上昇分に追い付いていない。18年度上期(4─9月期)利益実績は前年同期比35%減と大幅減だった。船橋製造所(千葉県船橋市)では昨年度下期からの大規模工事で片肺操業が続き、今年度上期はもともと減収減益が予想され、西日本では台風影響もあったが、それを含めても収益悪化が想定を上回った格好だ。下期は原板調達コストや副資材コストがさらに上がる可能性があり、社内では「このまま何もしなければ通期で赤字になってしまう」と危機感を強めている。
 「イソバンドBL」「イソダッハR」「ニスクボード」「耐火イソバンドPro」などのパネル建材製品では、鋼板製品同様のコスト上昇に加えて、断熱材として使用するウレタンやロックウールの値上がり分を販価に反映させる。「これ以上のコストアップ吸収は困難で、現状のままでは製造基盤整備や安定供給がままならなくなる」として理解を求めていく。
2018年12月6日
NSSC、店売り12月契約値下げ
Ni系1万円、Cr系5000円
市中は販売増で持ちこたえか

 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は国内店売り向けのステンレス冷延薄板、厚中板について12月契約価格を値下げする。冷延についてはニッケル系で1万円、クロム系で5千円の値下げ、厚中板は1万円の値下げとなる。冷延についてはニッケル・クロム系ともにアロイ価格のみの値下げ。これでニッケル系は5カ月連続で延べ3万5千円下げ、クロム系は2カ月連続で延べ1万円下げとなった。
 ニッケル価格は10─11月平均が5・35jで9─10月平均と比べ0・29j値下がり、クロムは7k値下がりした。為替は0・72円の円安。ニッケルもクロムも5─6月をピークに値下がりしており、製品価格にもこれが反映されている。市中への影響が気になるところ。薄板市中在庫は荷もたれ感があったが、10月のJSCA統計では在庫圧縮へと転じており、流通も価格を突っ張り踏みとどまっている。在庫率は2・5カ月から2・3カ月へ改善、稼働日の増加により販売数量が伸びたことが契機となった。11月についても流通販売は良好のようだ。
 輸入材は依然として10月1万dを超える数量となっているが、9─10月の入着は前年平均に比べ15%減少していることなどから、輸入圧力に対する緊張感はピークを越えた模様だ。
 ニッケル価格についてはそろそろ底が見てきたという声も業界内にはあるが、通商問題が絡みアジアにおける製品需給は緩和状態にあることから、関係者はまだまだ輸入材に対する警戒は必要だと言う。ただ、韓国ミルは国内価格を据え置くなどニッケル価格の値下がりにブレーキがかかってきたことをうかがわせる兆候は表れてきている。メーカーも流通も、もう少し粘れば国内市況形成の安定性が確実なものになるのではないか。
2018年12月5日
需要減・後継者問題が顕在化
一般缶メーカー、漸減
連合会員、今年度すでに5社が廃業

 菓子缶や海苔缶など一般缶需要の減少や後継者問題などから、一般缶メーカーの廃業が続いている。全日本一般缶工業団体連合会の会員メーカーは今年度に入り計4社が廃業を決め、1978年発足時の140社から65社へと半減。過去5年間では10社以上が製缶事業を止め、そのほとんどが従業員数10名以下という。連合会事務局が入居していた東京・台東のビル所有者だった古茂田製缶も2013年に製造・販売を終了した。市場縮小に加え、オーナー系企業が多く、ほとんどの工場敷地がオーナー一族所有であることも拍車をかける。土地の所有権や相続の問題から企業統合は起こりにくいためで、今後も一般缶メーカーは漸減していく見込みだ。ただ、事業者の減少は一般缶業界だけの話でなく中小の製造業全体で言えること。主な事業を不動産業に転換するケースも少なくないと見られる。
 18年度に入り廃業した連合会会員メーカーは東日本で2社、中部で1社、西日本で1社あり、会員数は連合会を構成する東日本一般缶工業協同組合は36社に、中部製缶工業協同組合は7社に、西日本一般缶工業協同組合は21社に減った。連合会事務局に退会の旨を連絡したのは、いずれのメーカーも廃業する1カ月前と直前で、予備軍がどれほどあるかは予想しにくい現状がある。他素材容器との競争や贈答文化の衰退などで、一般缶の生産量はピークだった1990年(26万6千d)から3分の1以下に減少。「現在も需要は右肩下がりではあるものの下げ止まっている」(野口雅春全日本一般缶工業団体連合会専務理事)ものの一般缶メーカーが直面する事業環境は厳しい。
 一般缶需要は「残念ながら国内では明るい材料は見当たらない」(商社筋)が、業界では引き続き一般缶そのもの魅力やリサイクル性を訴えていく考えだ。