2019年1月21日
新日鉄住金による山特子会社化の審査終了
軸受用継目無管、一部神鋼に
最大シェア25%で市場新規参入

 新日鉄住金、山陽特殊製鋼は18日、新日鉄住金と山陽特殊製鋼が所有する軸受用小径シームレス鋼管の一部商権などを神戸製鋼所に譲渡すると発表した。新日鉄住金による山陽特殊製鋼の子会社化に伴い、両社で軸受用小径シームレス鋼管の国内シェアは100%(山陽特殊製鋼約70%、新日鉄住金約30%)となることから、公正取引委員会が競争制限の問題を指摘し、両社側から問題解消措置として両社の一部商権、山陽特殊製鋼から一定の圧延設備使用権を神戸製鋼に譲渡することとした。神戸製鋼は、年産1万5千d分の使用権を有することとなり、同量(神戸製鋼側が希望する場合は追加で1千d)を上限として生産を受託する形となる。公正取引委員会は同日に子会社化に関して排除措置命令を出さず、審査を終了したと発表した。
 神戸製鋼は譲受により、最大25%程度の市場シェアを持つこととなり、相当の競争圧力が働くと判断された。これらは2019年度から、適用される。山陽特殊製鋼は伝統的に、軸受用小径シームレス鋼管の生産にかなりの強みを持っており、今回その一部を手放すこととなったが、子会社化に向けて大きな障害をクリアしたこととなる。全社利益面での悪影響は大きくないという。新日鉄住金は外国競争当局の事前承認をすべて取得しているとし、山陽特殊製鋼は2月28日に第三者割当増資の承認を得るための臨時株主総会を開く。
 軸受鋼の需要は自動車、大小の建産機など多岐にわたり、世界的に需要が安定しているとされる。特殊鋼棒線を大きな武器とする神戸製鋼は、販売ネットワークを確立している軸受用の線材、棒鋼製品に加えて小径シームレス鋼管を組み合わせることで多様なニーズに応えられるようになる。4月の販売開始を前提に新日鉄住金、山陽特殊製鋼と協議している。
2019年1月18日
ときわ会H形鋼12月末在庫18万7300d
5カ月ぶり増も「適正水準」
1契販価は据置き、慎重に見極め

 新日鉄住金がまとめた2018年12月末の「ときわ会」全国H形鋼流通在庫は前月末比3100d増の18万7300dと5カ月ぶりに増加した。秋口に発生した台風など天候不順の出荷影響は概ね解消し、流通サイドが出庫見合いの慎重な仕入れに徹した結果、入庫は同7900d減の8万5千dとなった。だが、営業稼働日が2日減の19日となったことと見合って出庫が同1万1200d減の8万1900dとなり、在庫増につながった。「在庫は3カ月連続で18万d台を維持しており、在庫に余剰感はなく適正水準。ただ、不需要期に入っていることから、今後の申し込みは慎重に」(建材営業部)と流通各社に要請した。
 1月契約・2月生産分の店売り向け販売価格は、これまでの値上げ分の市況への反映を見極めるため据え置きとした。引き受けは、流通各社の出庫、在庫などを精査して最小限とする。物件向けについては、引き続きコストアップによる価格改善が必要なことを顧客に求めていく。日鉄住金スチールも販売価格を据え置いた。
 在庫は増加したが、土木用の広幅サイズなどで歯抜けが散見される状況。再開発物件向けの土留め材など基礎用の引き合いが増加しており、足元から19年度にかけて期待できるとしている。18年11月の建築着工から推定した鉄骨数量は前月比3万4千d減の41万6千dだが、4─11月の合計を年率ベースで換算すると535万7千dとなり、引き続き堅調に推移している。ファブリケーターの山積みの高い状況は続いている。シャー・ビルトH業者・1次加工業者の稼働も引き続きタイトな状況が続いており、需要面での不安は見当たらない。設計遅れに伴う工期ズレや、ボルトなどの副資材の需給ひっ迫と輸送課題も継続している。(本紙2面に関連記事
2019年1月17日
高機能製品・技術移転分野で加速
CO排出削減が進展
国内コークス炉も順次改修

 日本鉄鋼業が国内外で取り組む地球温暖化対策が進展し、特に高機能製品で省エネにつなげる「エコプロダクト」と先進的技術移転でCO削減を図る「エコソリューション」の分野で加速している。日本鉄鋼連盟が16日まとめた2017年度における低炭素社会実 行計画実績報告によると、エコプロダクトでは代表5品種(輸出分含めた対象鋼材596万d)だけでもCO削減効果は年間 2973万d分に上り、中国やインドなど新興国におけるCDQ(コークス乾式消火設備)やTRT(高炉炉頂圧発電)といった技術移転に よるCO削減効果は年間約6300万d分に到達した。各製鉄所ではコークス炉改修を順次実施していく計画もある。鉄鋼連 盟は昨年11月、長期温暖化対策ビジョン「ゼロカーボン・スチールへの挑戦」を発表しており、世界でトップを走る日本の環境対策をさらに 推し進めていく方針だ。
 17年度のCO排出量削減は、基準となる05年度比で229万d減にとどまり、目標300万dに約70万d分届かなかった。 これはコークス炉の耐火レンガの劣化による原単位悪化などが主要因。コークス炉は築35年経つと大幅に劣化するため、その他取り組み分を 相殺した格好だ。ただ、自助努力による削減は着実に進捗し、低炭素社会実行計画スタート以降、国内ではすでにコークス炉8炉で更新が完 了。18年度は新日鉄住金・鹿島製鉄所とJFEスチール東日本製鉄所・千葉地区の2炉が更新、新日鉄住金・君津製鉄所の1炉で更新計画が 進んでおり、今後効果を発揮していく。19年度、21年度にも約130億─570億円規模のコークス炉更新計画がある。
 日本が得意とする技術移転分野では、普及余地が残る中国やインドへ日本の技術を売り込んでいく。特にインドで先端設備を標準装備でき れば毎年数千万d規模のCO排出回避につなげられる可能性があり、効果は大きい。
2019年1月16日
関東地区の鉄筋受注、落ち込み続く
年末は20カ月ぶりの低水準
18年の鉄筋需要240万dに縮小

 関東地区棒鋼メーカーの鉄筋受注量(明細投入量)が大きく落ち込み、2018年12月は今年度最少の15万6千d(前月比1万6千d減) となったもようだ。17年5月(11万9千d)以来の低水準で、このうちベースサイズ9万1千d、細物サイズ6万5千dでいずれも年度内最 少。鉄スクラップ相場下落による先安観からゼネコンが慎重姿勢を強めたことに加え、「年度内の仕事はすでに終わってしまっている」(都 内流通筋)ことも低い受注量につながっている。流通筋からは「1─2月も前月と変わらないだろう」との声が聞こえており、足元の状況は メーカーがトン7万円付近で踏ん張る鉄筋市況や、早期達成を図る鋼種エキストラ改定(2鋼種でトン1千円値上げ)の進捗に大きく響きそ うだ。収益に寄与してきたビレット輸出に逃げられないこともあり、棒鋼メーカーに強い逆風が吹いている。
 18年通年の関東地区の鉄筋受注量は239万8千dとなったもようで、10社・11工場がひしめく関東地区の鉄筋市場は前年比31万5千d縮 小した。暦年でみた月間平均受注量は17年の約23万dから約20万dに落ちた。18年4─12月期は前年同期比33万4千d減の170万4千d。 19年に入っても引き合いは低調で「新年度からの案件が入り始める3月までは厳しいだろう」(流通筋)と見られている。他方、鉄スクラッ プ相場はこの2カ月でトン7千円近く下げ、都内鉄スクラップ業者は「あと1千円は下がりそうだ」と読む。引き合いが冷え込む時期は長引 きそうな情勢だ。
 新規案件でのメタルスプレッドは広がるが、足元の製品出荷単価は6万円半ば。メーカー各社は鉄筋市況7万円割れ回避に奮闘するものの 、焦りも増している。すでに杭向け物件の中心値は6万3千円に下がってきた。赤字脱却を目指す棒鋼専業メーカーにとって予断が許さない 年始を迎えている。
2019年1月15日
関東鉄源、1月鉄スクラップ輸出
単価2万8775円で703円安
小幅下げ、そろそろ反転時期探るか

 関東鉄源協同組合は11日、鉄スクラップの1月契約輸出入札を行った。落札平均単価は2万8775円で前月比703円安。成約量は2万 d。1番札は2万8820円で5千d、2番札は2万8800円で5千d、3番札は2万8740円で1万dだった。4番札も5番札も2万 8千円台だった。それぞれ応札が1万dであったため、3番札までとなった。
 今回は事前予想において役員の半分が横ばい、半分が値下がりだった。703円という価格はその中庸をとった形になった。ただここで合 同製鉄の設備トラブルがなかったら価格は下げ止まったのではという見方もある。
 今回の向け先は韓国ないしベトナムと見られる。韓国については年明け以降は現代製鉄が値上げを打ち出してくる公算は大きい。既に韓国 国内でも価格は底を打っている。一方で日本国内は高炉や電炉のトラブル続きで生産面では一時的には減少しても仕方ない。来月下げ止まっ たとしても上昇基調に乗れるかどうか難しいところだ。今回の契約を含め、約残の消化は順調だ。7日から12日まで9500d、21日から25 日まで5千d、25日から月末まで5千dとなっている。残るのは1月契約分のみ。
 今回同組合では、暦年データをまとめたが、2018年の平均落札価格は3万4400円だった。それに比べると、この1月の落札価格は 随分水準が低下したものとなっている。高値圏が続いたことで調整的な反動がついたと見られる。ただ業界全体の想定に対し、落札価格の下 落が小幅にとどまったのは確かだ。建設実需が安定していることに加え、電炉では品種によっては高炉の供給不足の補完に動くところもある だろう。そうなれば、単純減産にはつながらないかもしれない。やはり鉄スクラップ市況は3万円を前後する価格帯で推移するということか 。
2019年1月11日
新日鉄住金、4月でトップ交代
日本製鉄初代社長に橋本氏
世界総合力bPを常に維持

 新日鉄住金は10日の取締役会で4月1日付のトップ人事を決めた。新社長には橋本英二副社長が昇格、進藤孝生社長は代表権のある会長に就任する。4月から日本製鉄に社名変更するため、橋本氏は日本製鉄の初代社長となる。橋本氏は「総合力世界bP、当社の基本はこれ以外にはない。技術、コストなどすべてにおいて高い優位性を有していると考えている。それを活かしてあらゆるソリューション提案を行い、お客様のニーズをもっとも把握していると自負している。常にトップレベルを維持できるように頑張りたい。需要が確実に伸びる地域に経営資源を集中し国際競争力を高める」と話した。
 進藤社長は橋本副社長の選任について「当社は現行の中期経営計画において、造る力を高め、メガトレンドをとらえ、鉄を極める、この3点を主題に取り組んでいる。そういうなかで橋本副社長がふさわしいと選んだ。留学経験もあり、海外営業だけでなく国内自動車鋼材や厚板、建材分野など国内外を問わず、幅広く活躍してきた」と話した。橋本副社長がエッサール買収におけるアルセロール・ミッタルとのJVをはじめ、ウジミナスの経営、宝武集団ほかとのJVなどの案件で共同運営をリードしてきた存在だと紹介した。
 橋本副社長は1955年生まれ、熊本県出身。79年に一橋大商卒、同年入社。2009年執行役員に就任、厚板・建材事業部長。13年に常務執行役員。15年からグローバル事業推進本部副本部長。16年4月に副社長・同本部の本部長。同6月に代表取締役副社長。
2019年1月10日
NSSC、1契国内店売りステン鋼板価格
Ni系1万円値下げ
Cr系は据置き、市況に影響なし

 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は、国内店売り向けのステンレス冷延薄板や厚中板について、1月契約においてニッケル系薄板と厚中 板でそれぞれ1万円の値下げを行う。クロム系薄板については据え置きとする。
 ニッケル系値下げについてはアロイリンクによるもので、11─12月平均のニッケル価格が5・01jとなり、10─11月平均に比べ0・34j値 下がりしたことを受けたもの。為替は0・15円の円高。これで2017年10月以降の価格改定の累計はニッケル系、クロム系とも差し引きし てプラス2万5千円となった。18年夏をピークにニッケル価格は値下がりしたため、以降はこれに合わせてアロイ価格を値下げしてきたが、 マーケットには目立った影響は出ていない。流通もある程度織り込み済みであることや、足元の在庫の仕入値が高いことから慎重な売り方に なっているため。市況もこうした流通の踏ん張りで持ちこたえている。
 一方でクロム系については据え置きとはなったが、メーカー業界の設備影響などで逆に需給が今より引き締まる公算が大きく、据え置きで も市況は上向く可能性もある。
 全国ステンレスコイルセンター工業会の11月統計によると、販売量は6万2900dで今年度最高数量を更新し続けている。在庫は以前の 輸入材の影響が残っていることもあり、ニッケル系冷延薄板在庫は7万2600dで前月比1万4千dの増加となった。在庫率も2カ月以上 ある。足元の入着は落ち着いてきたが、それでも根本的に水準が高めなのには変わらない。この点については、メーカー関係者は依然として 警戒を続けると言う。在庫が適正水準に圧縮されるまではもう少々時間を要するが、それでも崩れないマーケットに、安定した実需の後押し が効いていることが分かる。