2019年12月13日
鉄筋丸棒は市況カンヌキ締まる
共英1契2000円値上げ
小口当用明細を主体に建て直し

 (大阪)共英製鋼は12日、異形棒鋼の1月契約販価を全事業所で2千円値上げすると発表した。山口事業所では先行して実施しているが、 関西、中部、関東で6万7千円を目指す。
 鉄筋市況はスクラップ価格の反発を契機に下げ止まり、関西での一部安値も解消した。共英は山口事業所のオファー止めを横目に見ながら 12契販価をひとまず据え置いたが、1契で全事業所の値上げに動き出した。この間、小口当用買いを主体とした商いに大きな変化はないもの の、大手ゼネコンの買い出動がないため堅実な契約を重ねてきた。6万円割れ対応は影をひそめ、実質6万2千─6万3千円の相場観が形成 されてきた。
 同社は「世界的に製品、半製品、原料価格の底打ち反転が明確」とし、日本国内でも「潮目が変わった」と判断。「流通口銭の確保を含め 、6万5千円を固めて6万7千円の形成に取り組む」(本社営業企画部)という。この1カ月間で鉄筋丸棒市場のムードは下げ止まりを鮮明 にし、再び価格形成のステップが注目される場面を迎えたといえる。流通筋には「メーカーだけでなく、われわれも利益を享受したい」とい う声が強く、今後は下げ局面でなく上げ局面で流通も利益を取るべきとして共英も価格政策を進め始めた。
 鉄筋市場は足元の仕事が少ないとはいえ、例年のように「安値で大量に買われる」場面のなかったことは喜ばしいことで「商慣習改善」の 取り組みとともに健全な市場の形成につなげる確かな歩みともなる。鉄筋市況は九州地区で先行しているが、関西以東でも底値を固め、新年 の市況形成を図るステップが整ってきた。共英としては満を持しての1契2千円値上げであり、引き続き「オーダー精度の向上を進め、受注 から出荷までの効率化を図る」構え。新春6万5千円固めの戦線へ製販の思いが結集されそうだ。
2019年12月12日
関東鉄源、12月契約の輸出入札
国内より高値の2万5804円
海外市場との連動性色濃く

 関東鉄源協同組合は11日、12月契約の鉄スクラップ輸出入札を行った。落札数量は2万3千dで平均落札単価は2万5804円になった。前月比1497円高となり国内の炉前価格に比べかなり高めの水準となった。直前で米国のコンポジット価格が26jもの大幅値上がりしたことなどもあり、海外マーケットに引っ張られた形となった。1番札は2万6100円で3千d、2番札は同着で2本あり2万5760円で1万dずつとなった。辞退は2社で応札は21本で総量は14万3600d。応札の平均単価も2万5267円となり、落札だけでなく応札全体でも高めの水準となった。
 国内の市況は底打ちしたものの輸出ほどの勢いはない。今回は国内価格との連動性が皆無であり、鉄スクラップ価格もグローバル化の波に大きく左右されるようになったことが顕著に表れている。関東地区は解体工事の遅れなどで発生が減っており、鉄スクラップ業者の入荷率も8割にとどまっていると言う。国内電炉の購入状況と何らリンクしていない。中国を含めアジア地区の電気炉稼働動向と、高炉原料価格の高どまりがもっぱら影響している。ただ国内電炉にとっては頭の痛い状況となっているのではないか。輸出価格がこのままイニシアチブを握るようになれば、製品需給を問わず高値の鉄スクラップを購入せざるを得ない。現時点ではスプレッドに幅があるため即影響はないものの、製品販売減のまま来年1─3月をしのがなければならないことを踏まえると、余裕で構えることはできないだろう。
 12月契約の入札を終えて暦年の数値がまとまったが、2019年落札数量は24万4100dで前年比7万950d増、平均単価は2万8294円で6062円安となった。契約残は年内におおよそ消化され越年するのは5千d程度。越年分は1月2週目に予定。
2019年12月11日
日鉄、ときわ会在庫低水準続く
11月末H形在庫、17万9000d
1年11カ月ぶりに18万d台割込む

 日本製鉄は10日ときわ会を開き、H形鋼市中在庫状況をまとめた。11月末の全国在庫は17万9千dで前月比1・4%減となった。17万d台まで低下したのは2017年12月以来で1年11カ月ぶりのことだ。
 入庫は7万9千dで8・1%増となっているが、出庫の8万1500dを下回るレベルであり、流通各社が仕入れに対する慎重姿勢が継続していることがうかがえる。東京地区は入庫が19・5%増加したものの、出庫との差は4千dにとどまり、結果として在庫はほぼ横ばいとなった。一部の安値が原因となり、東京地区では主力流通の売り腰がなかなか定まらない状況にある。繁忙であった昨年に比べると東京地区に限らず全国的に販売量が低下しており、これから不需要期に突入することから仕入れ抑制により、低水準の在庫は当面継続すると日鉄は見ている。
 ときわ会の席上では11月中盤から荷動きが低下しているとの声が挙がっていたという。土木サイズは引き合いが増えてきたという声もあるが、マーケットは全般的に低迷ムードが強い。在庫がここまで低下し、鉄スクラップ価格が底打ちし環境は整いつつあるが、売り腰を引き締めようという積極的な姿勢は流通関係者の間には見られない。業界筋ではメーカーの物件価格が今の水準を維持することができれば、マーケットのムードも立て直しできるのではないかと指摘している。
 足元、流通は底値見極めに苦しんでいるが、一部流通の売り値が1つの基準になっているためだ。ただ値下がりピッチは緩慢で、この背景にあるのがメーカーの物件価格の在り方だ。鉄スクラップ価格底打ちで電炉の製品価格姿勢も変化してきた。物件価格を堅持すれば、流通も少し先を見てマーケット形成を行うことができるようになる。(本紙2面に関連記事
2019年12月10日
J条、形鋼と棒鋼ミル体制最適化
鹿島で溝形鋼に参入
JFES福山から姫路にH形移管

 JFE条鋼は、形鋼と棒鋼のミル特性の最適化と需要立地を鮮明に打ち出す。激化する競争市場を勝ち抜くことが目的だ。形鋼は姫路製造所(兵庫県姫路市)と鹿島製造所(茨城県神栖市)の東西2カ所、棒鋼は豊平製造所(札幌市西区)、東部製造所(埼玉県三郷市)、水島製造所(岡山県倉敷市)の3カ所に集約する。
 H形鋼の200×150と300×150サイズは、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)から姫路に、2020年1月以降に順次移管する。姫路は一般形鋼・平鋼にH形鋼が加わる。溝形鋼の75と100サイズは鹿島で、関東地区では同社としては初めて参入し、山形鋼との両肺体制を整える。12月契約、1月ロール、2月出荷からとなる。溝形鋼の250と300サイズはJFEスチール西日本福山から姫路に、山形鋼の90と100サイズは姫路から鹿島にそれぞれ18年度後半から移管している。
 鹿島でのベース鉄筋(19_アップ)製造からは撤退し、20年1月からは水島に切り替え、鹿島は形鋼専業ミルにする。関東・東北地区での鉄筋販売は今後も続け、水島のベースと東部の細物(10─16_)との2拠点での製造体制となる。
 19年度上期業績は売上高が前年度期比23億2千万円減の514億7800万円と減収、経常利益は28億2500万円増の54億5900万円と倍増。売上高経常利益率は10・6%となった。電極・副資材・運送費などは上昇したが、鉄スクラップ価格が低価格で推移したことが影響した。ただ、数量面では形鋼が落ち込み、棒鋼は想定範囲内で推移した。通期では形鋼・棒鋼とも数%減少するとみている。
 20年度までの3カ年の第6次中期経営計画では、19年度の(本紙2面に続く
2019年12月9日
全鉄連の阪上会長が意向表明
「ミルシートの様式統一を」
負担軽減、メーカーに理解求める

 全国鉄鋼販売業連合会の阪上正章会長(清和鋼業社長)は全鉄連として来年、ミルシートと現品ラベルに記載される内容の様式統一に向けた取り組みを進めていく意向を明らかにした。今後は全鉄連の常任理事会や地区代表者会議などの場で話し合いを進めていくとともに、メーカーや関係省庁、さらには全鉄連の傘下ではないコイルセンターや厚板シャー、ステンレス、特殊鋼、2・3次製品などの流通団体にも働き掛けを行なっていく考えだ。
 鉄鋼業界ではかつてミルシートのコピーで代用する時代もあったが、最終製品の故障や欠陥が大きく取り沙汰されるなか、トレーサビリティーの観点からその必要性が高まっている。それに伴い、流通が各社各様で対応しているミルシート管理のコストや作業負担が増大し、特に中規模以上の流通では頭を抱える企業が多い。そこで、全鉄連は以前「ミルシートの有料化」を提案したものの、公正取引法に抵触する行為にあたることから断念。その後も妙案を模索するなかで、作業費用を捻出する考え方から作業負担を軽減する考え方にシフトチェンジし、その実現を目指していく案が浮上した。
 具体的には、ミルシートをスキャンしただけで必要なデータが端末に保存されてタグ付きで管理でき、それと連関したバーコードリーダーで現品ラベルを読み取ることによって履歴管理も行えるシステムを構築する。ただ、そのようなシステム開発にはいくつも障害があり、なかでも最も大きな障害は鉄鋼製品メーカーが発行するミルシートの記載様式が各社各様ということだ。現品ラベルでは大きさや添付箇所の違いまである。そのため、この取り組みにはメーカーサイドの協力が必須で、会長は「記載様式の変更となるとメーカー各社にも一時的な負荷を掛けてしまうが、それによって流通は日々続く作業負担の軽減が図れる。何とか協力して欲しい」と訴えた。
2019年12月6日
日本製鉄、薄板建材事業でもG再編
日鉄鋼板・日新製鋼建材が合併
売上規模、淀鋼に肉薄3強時代へ

 日本製鉄は5日、来年7月1日付で日鉄鋼板と日鉄日新製鋼建材を合併すると発表した。存続会社は日鉄鋼板とする。日本製鉄グループとして外装塗装建材薄板事業の再編で、同分野における更なる競争力強化を目指す。今回の合併で新会社の売り上げ規模は1400億円となり、トップの淀川製鋼所に肉薄する売上となる。大別して淀鋼とJFE鋼板の3強時代が到来する。
 日本製鉄は来年4月に日鉄日新製鋼との合併を控えており、これまでにステンレス鋼板・鋼管、物流、設備関係での日鉄日新製鋼傘下の企業との再編を公表している。流通部門では系列の日鉄物産が日本鉄板を子会社化しており、各部門で日本製鉄と日鉄日新製鋼間での再編取り組みが着実に進行している。国内外の需要環境が不透明になってきている中で再編による総合力強化は同社にとって必須といえる。
 新会社の発足に際し、ポイントとなるのは生産体制と物流体制の最適化と、販売ネットワークの強靭化であろう。設備に関しては日鉄鋼板が船橋、尼崎、堺、湖南に、日鉄日新製鋼建材は市川、八千代、下妻、愛知、尼崎、大阪、呉にそれぞれ拠点を保有している。日鉄鋼板は船橋の本社工場で大型リプレースを行っており、日鉄日新製鋼の市川など立地の近い拠点同士での協力体制が有効と見られている。鋼種や機能による商品統合は今回の合併公表以降進展すると見られる。販売ネットワークは重複区域もあるため人的資源をどのように有効活用していくかが鍵となる。顧客目線での営業対応は欠かせないものとなろう。日本製鉄が日鉄日新製鋼を子会社した際に、細やかな日新の営業特性が良点として挙げられていた。日新のグループに関してもこれは然りだろう。ソースとして選択肢の狭まる顧客目線はこれから厳しくなる。営業の新体制もこれに応えるものでなければならない。
2019年12月5日
丸建リース、MISIが中国で新会社
中国・安徽で重仮設合弁
環境対応で鋼製山留工法展開へ

 丸紅建材リースと伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)は4日、中国で重仮設合弁事業を行うと発表した。
 両社は馬鞍山瑞馬鋼構材料との間で重仮設合弁事業を行うことで合意、上海で調印式を行った。具体的にはMISIと丸建リースが新設する「丸建投資」が馬鞍山瑞馬鋼構材料の第3者割当増資を引き受ける形で、新たに「瑞馬丸建工程支護科技(瑞馬丸建)」を設立するもの。
 資本金は1億833万人民元で出資比率は丸建投資40%、瑞馬(香港)投資貿易21・354%、李慶中33・534%などとなっている。出資は来年2月を予定している。
 馬鞍山瑞馬鋼構材料は2006年に設立された、鋼材加工製品制作・販売を手掛ける企業。丸建リースが技術支援をし、鋼製山留工法を用いた工事実績を安徽省で積み重ねている。中国国内では今後さらに増加する不動産開発やインフラ整備など、産業廃棄物の削減を国策として企業に課しており、環境にやさしい鋼製山留工法の特性が注目されている。今回3社で合弁会社を設立するのはこうした背景があった。
 丸建リースは現在推進中の中期経営計画では、海外事業の積極化を掲げている。同社はタイマルケンを起点に東南アジアでのインフラ整備関連需要を捕捉してきたが、今回はさらに歩を進めインフラ需要成長を望める中国で展開を本格化させる。
 中国ではすでに伊藤忠丸紅鉄鋼と共に現地資本と合弁した、中鉄伊紅鋼矢板がある。直近ではミャンマーで、シュエタングループとの間で重仮設リース事業に関する調査・研究開始について覚書を交わしており、このミャンマーや周辺国での次なる展開にも注目が集まる。